「喫茶店」の廃業が過去最多。大手チェーンも赤字決算
「喫茶店」の休廃業や解散が増えている
企業情報サービスの東京商工リサーチによれば、喫茶店の休廃業や解散が、2000年以降で最多となりました。
大手チェーンでも赤字決算が多く、新型コロナウイルスによる生活の変化が、喫茶店にも影響しています。
「休廃業や解散」は過去最多
2021年の「喫茶店」の休廃業または解散は100件でした。
これは、前年に比べて26.5%も増えています。
東京商工リサーチが、この分野の調査を開始した2000年以降で最多となりました。
「喫茶店」は酒類を提供しないため、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」による直接的な影響は「居酒屋」ほど大きくありません。
しかし、不要不急の外出の抑制や、深夜営業の制限などは業績に影響します。
また、オフィスへの出社の制限や、リモートワークの普及により、取引先との面談の機会が減っていることも影響しているでしょう。
新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化が、「喫茶店」を苦しめているのです。
支援策の効果で「倒産」は減少
一方、2021年の「喫茶店」の倒産は61件でした。
前年に比べて、8.9%減っています。
減少の理由は、新型コロナ関連の支援制度が影響しています。
ある程度の規模があって会社組織にしていると、従業員の給与を補給する「休業補償金」や、実質的に無利子/無担保で借りられる「ゼロ・ゼロ融資」などの支援があるため、倒産しにくいのです。
それでも、「休廃業または解散」と「倒産」の合計は161件に達しており、過去最多でした。
大手も赤字に追い込まれている
小規模な喫茶店の休廃業/解散が増える一方で、大手チェーンも苦しい状況が続いています。
直近の決算では、「ドトール・コーヒー」が9億2,100万円の赤字、「サンマルクカフェ」が27億900万円の赤字、「喫茶室ルノアール」が6億6,400万円の赤字でした。
しかし、「コメダ珈琲店」のように好調なチェーンもあります。
「コメダ珈琲店」の直近の決算は、58億4,700万円の黒字でした。
新型コロナの影響がありながら、前年に比べて36.8%も利益が増えています。
店舗数も、2020年の896店から、2022年1月には949店に増えました。
大手喫茶店チェーンでも、新型コロナの影響は一様ではなく、コンセプトや営業方針によって明暗が分かれています。