1年間で4万8千人減った東京都の人口。ほとんどの区で人口が減少
1年で5万人近くも減少
東京都が、2021年1月1日から2022年1月1日までの1年間の人口の変化を公開しました。
2022年1月1日の人口は「1,379万4,933人」でした。
これは、1年前に比べて「4万8,592人」も減少しています。
たった1年間で、5万人近くも人口が減ってしまったのです。
いったい、どの地域が減少したのか、住民基本台帳の変化をもとに紹介します。
なお、ここでいう人口は、日本人と外国人の合計です。
人口減少の中心は「区部」
東京都を「区部(23区)」「市部」「町村部」に分けると、人口の減少のほとんどは「区部」で起きています。
東京都全体で減少したのは「4万8,592人」ですが、区部だけで「4万9,891人」も減少しています。
つまり、区部だけの方が、都全体よりも減った人口が多いのです。
去年の東京は、区部と町村部で減った人口を、市部の人口増加で補う形になりました。
人口が増えた区は3つだけ
23区のうち、人口が増えた区は、次の3つしかありません。
- 中央区 836人
- 墨田区 77人
- 台東区 62人
これ以外の20の区は、人口が減少しています。
なかでも、人口の減少が激しいのは、次の10区です。
- 江戸川区 -6,384人
- 大田区 -4,969人
- 世田谷区 -4,164人
- 新宿区 -4,009人
- 豊島区 -3,958人
- 杉並区 -3,801人
- 目黒区 -3,041人
- 板橋区 -2,999人
- 品川区 -2,705人
- 中野区 -2,615人
人口の減少率が高い区
実は、同じ23区でも、区の人口には大きな差があります。
人口が一番大きい世田谷区は92万人、一番小さい千代田区は6万人ですから、約15倍も違うのです。
そのため、人口の減少数だけでは、減少の様子を比較できません。
そこで、その区の人口に対して、1年間にどれぐらい減少したのか「減少率」で比較してみました。
人口の減少率が高いのは、次の10区です。
- 豊島区 -1.40%
- 新宿区 -1.17%
- 目黒区 -1.09%
- 江戸川区 -0.93%
- 中野区 -0.79%
- 港区 -0.72%
- 大田区 -0.68%
- 品川区 -0.67%
- 杉並区 -0.67%
- 渋谷区 -0.65%
こうして見ると、ターミナル駅がある人の移動が多い区が中心です。
特に、豊島区、新宿区、目黒区は、人口が1%以上も減っています。
男女とも流出が止まらない3つの区
最後に、区部の人口の変化を男女別に見てみましょう。
区部全体で見ると、男性は「29,762人」、女性は「18,830人」減少しています。
区部から出て行く人は、男性の方が多いのです。
次に、区単位で見てみましょう。
男性の人口が増えたのは「中央区」だけです。
そして、女性の人口が増えた区は「中央区」「台東区」「千代田区」「墨田区」「江東区」の5つでした。
一方、人口の減少率を男女別に見ると、1位から3位の区は同じでした。
- 豊島区 -0.70% -0.70%
- 新宿区 -0.65% -0.53%
- 目黒区 -0.60% -0.50%
「豊島区」「新宿区」「目黒区」は、男女ともに、大量に人口が流失するという、深刻な状況にあるのです。
2021年の東京は、新型コロナウイルスの流行によって減少しました。
新型コロナウイルスが落ち着いて、再び、人口が戻ってくるかどうか、来年の結果が期待されます。