新型コロナに感染した経験がある人が5%を超えた「東京」と「大阪」
新型コロナの「抗体」を調査
厚労省が、新型コロナウイルスの「抗体保有調査」の結果を公開しています。
今回の調査により、東京都と大阪府では、5%以上の人が、新型コロナウイルスに感染した経歴があることが分かりました。
また、ワクチンの接種の効果で、96%以上の人が、抗体を持っていることが分かりました。
5つの都府県の8千人を調査
新型コロナウイルスに感染したり、ワクチンを接種すると、ウイルスに対抗するための抗体ができます。
抗体調査は、この抗体が、血液中にあるかどうかを調べるものです。
今回の調査は4回目で、2022年2月から3月にかけて、東京、大阪、宮城、愛知、福岡の5都府県の8,149人に行なわれました。
感染経験者が多い「東京」と「大阪」
新型コロナウイルスの抗体は、2種類あります。
その一つの「抗N抗体」はコロナウイルスに感染すると陽性になりますが、ワクチン接種では陽性になりません。
つまり、「抗N抗体」の陽性率は、新型コロナウイルスに感染した経験がある人の割合を示します。
「抗N抗体」の陽性率は、もっとも高い「東京都」で5.65%、「大阪府」で5.32%でした。
以下、「愛知県」3.09%、「福岡県」2.71%、「宮城県」1.49%と続きます。
今回の調査は、新型コロナウイルス感染症の第6波のピークと重なっていたこともあって、いずれの県も陽性率が高くなっています。
特に、流行が激しかった「東京都」と「大阪府」では、「抗N抗体」の陽性率が5%を超えました。
なお、「抗N抗体」の陽性率は、累計の感染者数の割合と、ほぼ同じでした。
つまり、新型コロナウイルスに感染していながら、PCR検査を受けておらず、統計に入っていない「隠れ感染者」は、ほとんどいないことが分かります。
ワクチンの接種が有効な「抗S抗体」
もう一つの「抗S抗体」は、新型コロナウイルスに感染する以外に、ワクチンの接種でも陽性になります。
今回の調査対象の96%は、ワクチンを接種済みなので、「抗S抗体」の陽性率も高くなっています。
いずれの県も、陽性率が96%前後で、ワクチンの接種率とほぼ同じでした。
基礎疾患がある人は抗体ができないことがある
さきほど紹介したように、「抗S抗体」はワクチンの接種でも陽性となります。
今回の調査でも、ワクチンを接種済みの人の99.9%は、「抗S抗体」が陽性でした。
しかし、ワクチンを接種していても、「抗S抗体」が陰性の人が6人いました。
この6人は、悪性腫瘍と自己免疫疾患という基礎疾患を持っていました。
つまり、基礎疾患を持っていると、ワクチンを接種しても抗体ができず、新型コロナウイルスに感染しやすい状態になる可能性があるのです。
基礎疾患などのリスクを持っている人は、ワクチンの接種で安心するのではなく、マスクの着用や人混みを避けるなど、感染予防にも努めてください。