「第6波」の高齢者の致死率、3回の接種で10分の1に激減
第6波の患者11万人を調査
新型コロナウイルス感染症の「第6波」においても、ワクチンを2回以上接種していると、重症化率や死亡率が大きく下がることが確認されました。
今回公開されたのは、オミクロン株が流行していた、2022年1月1日から2月28日の期間のデータです。
集計の対象は、石川県、茨城県、広島県の感染者11万9,109人です。
3回接種で致死率が10分の1に
ここでは、一定以上の死者が出ている「60代」以上のデータを紹介します。
最初に致死率から見ていきましょう。
致死率が一番高い「90代以上」の場合、「ワクチンの接種歴なし」では9.33%でした。
しかし、「2回接種」では5.95%に、「3回接種」では0.97%に下がります。
つまり、ワクチンを3回接種することで、死亡する可能性が、ほぼ10分の1になるのです。
他の年代でも同様で、ワクチンを2回接種すると致死率がほぼ半減します。
そして、3回目の接種をすると、さらに致死率が下がります。
重症になることを抑える効果も
ワクチンの接種は致死率だけではなく、重症化率を下げる効果もあります。
ここでいう重症とは、人工呼吸器、ECMO(エクモ:体外式膜型人工肺)、ICU(集中治療室)を使用した患者を指します。
例えば、「70代」で「ワクチン接種なし」の場合、重症化率は3.83%でした。
それが、「2回接種」では1.94%と半減し、「3回接種」では0.95%と4分の1に減ります。
ワクチンを接種することで、新型コロナが重症化することが防げるのです。
3回目の接種率は8割超え
65歳以上の高齢者で、ワクチンを2回接種している人は、4月14日時点で92.5%、3回接種している人は85.5%です。
特段の事情がある人を除いて、ほぼすべての人が2回以上接種していると言って良いでしょう。
ただ、ワクチンを2回接種していても、3回接種していても、感染を完全に防げるわけではありません。
重症化率も致死率も下がりますが、重症になることも、死亡することもあります。
ワクチンを接種した上で、人混みを避けるなどの感染予防対策をしっかりと行ない、感染する機会を減らすことが大切なのです。
また、致死率が高い高齢者が身近にいる人は、高齢者への感染を防ぐためにワクチンの接種を検討してください。