4月以降も続く食料品の値上げ。平均値上げ率は11%
食料品の「値上げ」が進む
今年に入ってから、食料品の値上げのニュースを、よく耳にするようになりました。
食料品の値上がりは、生活費の増加に直結するだけに、関心を持たざるを得ません。
このところ続いた値上げで、どれぐらい販売価格は上がったのでしょうか。
また、今後も、このような値上げが続くのでしょうか。
企業情報サービスの帝国データバンクの調査をもとに紹介します。
4月以降も値上げが続く
帝国データバンクは、2022年4月に株式市場に上場している大手の食品メーカー105社を対象とした調査を行ないました。
2022年に値上げされる食品は「6,167品目」に上ります。
このうち、3分の2にあたる「4,081品目」は、4月までに値上げ済みです。
残りの多くは、6月をめどに値上げされる予定です。
つまり、値上げは、4月で終わりではなく、今後も続きます。
そして、平均の値上げ率は「11%」でした。
今後は、食料品の価格が1割ほど高くなるという前提で、生活費を準備する必要があります。
値上げは「加工食品」が中心
値上げされる食料品の半分は「加工食品」です。
「加工食品」では、ハムなどの食肉加工品から、カマボコなどの水産加工品、即席めんなど、幅広い品目で値上げがみられました。
次に多いのが「調味料」で、ドレッシングやマヨネーズを中心に、食用油の価格上昇による影響が目立ちます。
これ以外では、「酒類・飲料」、「菓子」、「乳製品」が値上げの対象となっています。
会社単位ではなく、業界全体が値上げ
今回の値上げの原因は、食用油や小麦粉、大豆、砂糖など、素材となる原料の価格上昇とされています。
いずれも、「加工食品」や「調味料」には欠かせない素材だけに、幅広い分野の値上げの原因となっています。
そのため、特定の商品や会社にとどまらず、業界全体において値上がりが続くと思った方が良いでしょう。
「ステルス値上げ」も多発
最後に「ステルス値上げ」について紹介しましょう。
値上げの方法として一般的なのは、製品はそのままで価格を引き上げるものです。
しかし、「加工食品」や「菓子」では、価格はそのままで、製品の内容量を減らす方法も行なわれています。
例えば、これまで「100g」入っていた製品の内容量を「80g」に減らして、原価を下げます。
個別包装されている菓子では、これまで「18枚」入っていたのを「16枚」にするなど、かなり分かりにくい例もあります。
このように見つかりにくい、実質的な値上げを「ステルス値上げ」と言います。
今回の帝国データバンクの調査では、「ステルス値上げ」も含めて「値上げ」として扱っています。
ただし、製品の原価が大幅に上がると、「ステルス値上げ」では原価が吸収できません。
このまま、原材料の価格上昇が続くと、「ステルス値上げ」だった製品の販売価格も、分かりやすい形で値上げされることになるでしょう。