これまでの流行とは、まったく違う「第6波」の特徴
「第6波」の特徴
東京都が、新型コロナウイルス感染症の流行における「第6波」の特徴をまとめています。
オミクロン株が主流となった第6波は、これまでの流行とは異なった特徴があることが分かりました。
なお、このレポートでは2022年1月1日から3月31日の期間を第6波として集計しています。
重症者の割合が低い
「第6波」の最初の特徴は、「新規陽性者に対して、重症者が少ない」ことです。
第6波では、1日の新規陽性者が最大で「21,562人」に達しました。
しかし、重症者数は最大でも「87人」に留まりました。
「第5波」では、新規陽性者は最大でも「5,908人」でしたが、重症者は「297人」も出ています。
つまり、第6波は新規陽性者が3倍以上に増えたのに、重症者は3分の1になったのです。
入院患者の割合が低い
また、第6波では「新規陽性者数に対して、入院患者が少ない」という特徴があります。
さきほど見たように、第6波の新規陽性者数は、第5波の3倍以上に増えました。
しかし、1日の入院患者数のピークは、第6波が4,273人、第5波が4,351人で、ほとんど差がありません。
そして、「60代以上」の入院患者は、第5波では3割でしたが、第6波では7割に増えました。
第6波は、入院患者の高齢化が進んだのです。
死亡率が低い
第6波では「死亡率が低い」という特徴もあります。
以前の第3波では、死亡率が「1.53%」もありました。
しかし、第5波では「0.41%」、第6波では「0.13%」まで下がりました。
第6波の死亡率は、第3波の10分の1以下になったのです。
また、第6波では、「新型コロナ」で死ぬ人が減り、「それ以外の病気」で死ぬ人が増えています。
例えば、新型コロナによる肺炎で死ぬのではなく、もともと持っていた病気が悪化して死亡する人が増えているのです。
集団感染が多い
第6波では、「クラスター(集団感染)が多い」のも特徴です。
第6波では、第3波や第5波に比べて、クラスターが増えました。
特に児童福祉施設と学校で増えており、第6波が若年層を中心に広がっていることが分かります。
症状が軽いが、感染力が強い
このように見てくると、「第6波」は、感染しても症状が軽い代わりに、感染力が強いことが分かります。
感染力が強いために、クラスターが発生しやすく、新規陽性者が増えていきます。
第6波の中心であるオミクロン株は、現在、「BA.1」から「BA.2」へと入れ替わりが進んでいます。
そして、「BA.2」は、「BA.1」よりもさらに感染力が強いとされています。
「BA.1」はピークを過ぎましたが、「BA.2」はまだ流行が終わっていません。
このまま、「第6波」の流行が続く可能性が高いのです。
大型連休に向けて、油断することなく、感染予防に努めてください。