透析患者の「第6波」の死亡率は「3.3%」。「高齢」や「未接種」でさらに上昇

[2022/5/5 00:00]

「第6波」で患者が急増

人工透析に関係する3つの学会が共同で、「透析患者の新型コロナウイルス感染状況」を公開しています。

今回公開された4月28日時点のデータでは、2022年1月以降の「第6波」による感染者が急増しています。

「第6波」による感染者は「3,448人」に及んでおり、これまでの5つの流行時期をすべて合わせたよりも大きな数字になっています。

この記事は「第6波」における透析患者の感染状況に絞って紹介します。

出典:新型コロナウイルス感染対策合同委員会のデータをもとに編集部が作成

透析患者の死亡率は「3.3%」

「第6波」で感染した人の死亡率は「3.3%」でした。

これは、「第5波」までと比べて、かなり低くなっています。

出典:新型コロナウイルス感染対策合同委員会のデータをもとに編集部が作成

高齢者ほど死亡率が高い

「第6波」の死亡率を年齢別に見てみましょう。

死亡率は、60代から増え始め、80歳以上では「6.6%」に達します。

もともと、慢性腎不全による透析という「基礎疾患」を持っているだけに、さらに「高齢」というリスク要因が重なると、死亡率が高くなることがわかります。

出典:新型コロナウイルス感染対策合同委員会のデータをもとに編集部が作成

ワクチンの接種で死亡率が下がる

ワクチンの接種回数別の死亡率を見てみましょう。

ワクチンが「未接種」の場合、死亡率は「9.9%」まで上がります。

「2回接種」では「6.1%」に下がります。

さらに、「3回接種」では「1.1%」と大幅に下がります。

状況が許すのであれば、ワクチンの接種は前向きに検討するべきでしょう。

出典:新型コロナウイルス感染対策合同委員会のデータをもとに編集部が作成

4回目のワクチン接種も忘れずに

東京都が公開している「第6波」の死亡率は、3月末の段階で「0.13%」でした。

これに比べると、透析患者の「3.3%」という死亡率が、とても高いことが分かります。

慢性腎不全による人工透析というのは、それだけ大きなリスク要因なのです。

それだけに、透析患者は、新型コロナに感染しないように予防に努める必要があります。

特に、60歳以上の人は、慢性腎不全という「基礎疾患」と「高齢」という2つのリスク要因を持っています。

自分のリスクの高さを自覚して、予防に努めてください。

まず、ワクチンを接種すると、それだけで死亡率が大きく下がります。

身体的な状況が可能であれば、3回目の接種を目指しましょう。

また、透析患者は「4回目の接種」でも対象となっています。

3回目接種から5か月以上経つと接種が可能になりますから、自治体からの通知に注意してください。

ワクチンを接種した上で、手洗いやマスクの着用、人混みを避ける行動など、基本的な感染症対策を守ってください。

[シニアガイド編集部]