透析患者の「第6波」の死亡率は「3.3%」。「高齢」や「未接種」でさらに上昇
「第6波」で患者が急増
人工透析に関係する3つの学会が共同で、「透析患者の新型コロナウイルス感染状況」を公開しています。
今回公開された4月28日時点のデータでは、2022年1月以降の「第6波」による感染者が急増しています。
「第6波」による感染者は「3,448人」に及んでおり、これまでの5つの流行時期をすべて合わせたよりも大きな数字になっています。
この記事は「第6波」における透析患者の感染状況に絞って紹介します。
透析患者の死亡率は「3.3%」
「第6波」で感染した人の死亡率は「3.3%」でした。
これは、「第5波」までと比べて、かなり低くなっています。
高齢者ほど死亡率が高い
「第6波」の死亡率を年齢別に見てみましょう。
死亡率は、60代から増え始め、80歳以上では「6.6%」に達します。
もともと、慢性腎不全による透析という「基礎疾患」を持っているだけに、さらに「高齢」というリスク要因が重なると、死亡率が高くなることがわかります。
ワクチンの接種で死亡率が下がる
ワクチンの接種回数別の死亡率を見てみましょう。
ワクチンが「未接種」の場合、死亡率は「9.9%」まで上がります。
「2回接種」では「6.1%」に下がります。
さらに、「3回接種」では「1.1%」と大幅に下がります。
状況が許すのであれば、ワクチンの接種は前向きに検討するべきでしょう。
4回目のワクチン接種も忘れずに
東京都が公開している「第6波」の死亡率は、3月末の段階で「0.13%」でした。
これに比べると、透析患者の「3.3%」という死亡率が、とても高いことが分かります。
慢性腎不全による人工透析というのは、それだけ大きなリスク要因なのです。
それだけに、透析患者は、新型コロナに感染しないように予防に努める必要があります。
特に、60歳以上の人は、慢性腎不全という「基礎疾患」と「高齢」という2つのリスク要因を持っています。
自分のリスクの高さを自覚して、予防に努めてください。
まず、ワクチンを接種すると、それだけで死亡率が大きく下がります。
身体的な状況が可能であれば、3回目の接種を目指しましょう。
また、透析患者は「4回目の接種」でも対象となっています。
3回目接種から5か月以上経つと接種が可能になりますから、自治体からの通知に注意してください。
ワクチンを接種した上で、手洗いやマスクの着用、人混みを避ける行動など、基本的な感染症対策を守ってください。