外食産業の3割が「値上げ」済み。夏にかけて増加の恐れ

[2022/5/8 00:00]

主要外食100社の3割が1年以内に値上げ

企業情報サービスの帝国データバンクによれば、主な外食産業100社のうち3割が、この1年間にメニューの値上げをしていることが分かりました。

各メニューの値上げ幅は、平均で「77円」です。

値上げの中心は「牛丼」「ファミレス」など

メニューの値上げを行なったのは、牛丼やファミリーレストラン、うどんなどの「低価格チェーン」が中心です。

ただし、一律に製品を値上げするのではなく、基本となる低価格商品では値上げ幅を抑え、大盛サービスなどの追加料金や、中高価格帯のメニューで値上げを行う傾向が見られます。

例えば、5月に値上げをした「松屋」は、「牛めし」の「並盛り」(380円)と「大盛」(530円)は価格を据え置き、「小盛」「あたま大盛り」「特盛」を20円~30円値上げしました。

また、値上げした29社のうち、15社は2022年に入ってから値上げしており、最近になって値上げへの圧力が強くなったことが分かります。

出典:帝国データバンク

外食企業の原価率が急騰

値上げの原因は、「食肉」「小麦粉」「原油」の高騰が目立ちます。

また、テイクアウト需要で発生した「包装材」や、アルバイトなどの「人件費」も負担となりました。

実際の原価率で見ると、前年から1.2%上昇し、過去10年では最高の「37.5%」となりました。

出典:帝国データバンク

原価率が上がった「喫茶店」

原価率の上昇幅を、業態別に見ています。

原価率が一番上がったのは「喫茶店」で4.2%上昇しました。

特に、輸入コーヒー豆の急騰が経営に悪影響をもたらしました。

次いで、イタリアンやフレンチなどの「レストラン」が3.6%上昇しました。

以下、「そば・うどん店」「大衆食堂」「居酒屋」が続きます。

出典:帝国データバンク

夏以降に「値上げ」が増える

帝国データバンクでは、早ければ2022年夏ごろから各社で「値上げ」がさらに進む可能性があるとしています。

まず、穀物や食用油脂、原油などでは相場価格の上昇が止まりません。

また、1ドル130円を超える20年ぶりの円安により、これまで安価な輸入食材に頼ってきた外食産業で急激なコストアップが懸念されるとしています。

外食の機会が多い人は、各チェーンによる値上げのニュースに注意を払ってください。

[シニアガイド編集部]