4月のテレワーク実施率は「52.1%」。「まん延防止等重点措置」の終了で低下
都内の企業に聞いたテレワーク状況
東京都が、2022年4月のテレワーク実施状況を公開しています。
調査対象は、東京都内にある従業員数が30人以上の企業409社です。
「まん延防止等重点措置」の終了で実施率が下がる
テレワークの実施率は「52.1%」でした。
3月の「62.5%」から、10.4%も下がっています。
これは、3月21日に東京都の「まん延防止等重点措置」が解除されたことが原因でしょう。
もともと、テレワークの実施率は、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた2020年3月には「24.0%」しかありませんでした。
それが、2020年4月の「緊急事態宣言」により「62.7%」まで、急上昇しました。
その後も、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が出るたびにテレワークの実施率が上がり、終了すると下がるという動きを繰り返しています。
企業の規模が小さいとテレワークが難しい
テレワークの実施率は、会社の規模に大きく左右されます。
従業員数が「300人以上」の企業では、実施率は「77.8%」もあります。
それが、「100~299人」では「59.4%」と2割近く下がります。
さらに、「30~99人」では「44.9%」と半分を切ってしまいます。
「週1日」と「週5日」の両極端
1週間にテレワークをする日数も、会社によって大きな差があります。
一番多いのは「週1日」で、3割ほどです。
次に多いのが「週2日」と「週5日」で、だいたい2割ずつを占めています。
テレワークの働き方は、週1~2回でオフィスでの勤務が中心のところと、週5日テレワークで、ほとんどオフィスに行かないの、2つに分かれているのです。
必要なときにはテレワークできる環境を
新型コロナウイルス感染症の流行で、一気に普及したテレワークですが、完全に定着したわけではありません。
例えば、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が終わると、それだけで実施率が下がってしまいます。
流行が一段落すると、オフィスで勤務しようとする揺り戻しが起きるのです。。
また、会社の規模によってテレワークの普及度が異なります。
規模が小さい会社では、人員のやりくりや設備投資の関係もあって、テレワークを導入していないところが少なくありません。
さらに、テレワークをしているとは言え、週1~2日に留まっていることも少なくありません。
週5日フルでテレワークしている人は、2割ほどしかいません。
まだまだ課題の多いテレワークですが、せっかく普及のきっかけをつかんだのですから、必要な人が必要なときに利用できる体制になることが望まれます。