4月のテレワーク実施率は「52.1%」。「まん延防止等重点措置」の終了で低下

[2022/5/21 00:00]

都内の企業に聞いたテレワーク状況

東京都が、2022年4月のテレワーク実施状況を公開しています。

調査対象は、東京都内にある従業員数が30人以上の企業409社です。

「まん延防止等重点措置」の終了で実施率が下がる

テレワークの実施率は「52.1%」でした。

3月の「62.5%」から、10.4%も下がっています。

これは、3月21日に東京都の「まん延防止等重点措置」が解除されたことが原因でしょう。

もともと、テレワークの実施率は、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた2020年3月には「24.0%」しかありませんでした。

それが、2020年4月の「緊急事態宣言」により「62.7%」まで、急上昇しました。

その後も、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が出るたびにテレワークの実施率が上がり、終了すると下がるという動きを繰り返しています。

出典:東京都

企業の規模が小さいとテレワークが難しい

テレワークの実施率は、会社の規模に大きく左右されます。

従業員数が「300人以上」の企業では、実施率は「77.8%」もあります。

それが、「100~299人」では「59.4%」と2割近く下がります。

さらに、「30~99人」では「44.9%」と半分を切ってしまいます。

出典:東京都

「週1日」と「週5日」の両極端

1週間にテレワークをする日数も、会社によって大きな差があります。

一番多いのは「週1日」で、3割ほどです。

次に多いのが「週2日」と「週5日」で、だいたい2割ずつを占めています。

テレワークの働き方は、週1~2回でオフィスでの勤務が中心のところと、週5日テレワークで、ほとんどオフィスに行かないの、2つに分かれているのです。

出典:東京都

必要なときにはテレワークできる環境を

新型コロナウイルス感染症の流行で、一気に普及したテレワークですが、完全に定着したわけではありません。

例えば、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が終わると、それだけで実施率が下がってしまいます。

流行が一段落すると、オフィスで勤務しようとする揺り戻しが起きるのです。。

また、会社の規模によってテレワークの普及度が異なります。

規模が小さい会社では、人員のやりくりや設備投資の関係もあって、テレワークを導入していないところが少なくありません。

さらに、テレワークをしているとは言え、週1~2日に留まっていることも少なくありません。

週5日フルでテレワークしている人は、2割ほどしかいません。

まだまだ課題の多いテレワークですが、せっかく普及のきっかけをつかんだのですから、必要な人が必要なときに利用できる体制になることが望まれます。

[シニアガイド編集部]