退職の通知をしてから辞めるまでの期間は「1カ月以上2カ月未満」が最多

[2022/5/23 00:00]

1万人に聞いた「退職のタイミング」

総合求人サイト「エン転職」が、「退職を伝えるタイミング」についてアンケート結果を公開しています。

2022年3月から4月にかけて行なわれたインターネット調査には、10,420人が回答しています。

困った辞め方の1位は「退職日が急すぎる」

まず、退職する人の周囲の声を聞いてみましょう。

会社の同僚や上司、部下などの退職について「困った辞め方だと思った理由」を聞いています。

一番多いのは「退職日が急すぎる」で、50%もありました。

実際に、次のような例が報告されています。

  • 退職日の当日に報告があった。(23歳/女性)
  • 当日の朝に退職するとメールで伝えたきり音信不通になった人がいる。(24歳/男性)
  • 辞めると伝えた次の日に来なくなった。(35歳/男性)

このように、退職を言い出した「当日」や、その「翌日」に辞められては、周囲の人が困ってしまいます。

いつ、辞めるかを言い出すタイミングは、円満な退職のためには重要な要素なのです。

出典:エン・ジャパン

転職経験者は「退職を決意したタイミング」で通知している

今度は、「辞める側」の意見を見てみましょう。

これまでに「退職」の経験がある人に、「退職の意向を伝えたタイミング」を聞いています。

一番多いのは「退職を決意したタイミング」でした。

つまり、「とにかく今すぐに、この会社を辞める」と決意し、突発的に退職を告げる人が多いのです。

そのため、周囲のことなど考えず、「当日」や「翌日」に辞める人が出てくるのでしょう。

計画的に準備を進め、「転職先から内定を得たとき」や「退職希望日の2~3カ月前」などのタイミングで、退職を告げている人は少数派なのです。

出典:エン・ジャパン

通知から「1カ月以上2カ月未満」で辞めた人が多い

では、辞めるまでには、実際には、どれぐらい時間がかかるものなのでしょうか。

「退職」の経験がある人に聞くと、一番多いのは「1カ月以上2カ月未満」でした。

これが、全体の40%を占めています。

これぐらいの期間があれば、周囲の人も、代わりの人を探したり、仕事の引き継ぎができるので、妥当なところでしょう。

次に多いのは、「2カ月以上3カ月未満」です。

これ以上長くなると、本人の意思が揺れたり、次のプロジェクトへ参加できない人がいることによる不都合があるなど、周囲が扱いに困ることがあります。

1カ月から2カ月ぐらいというのが妥当な期間でしょう。

なお、「2週間未満」という人も6%います。

出典:エン・ジャパン

まず「就業規則」の確認を

正社員が退職を伝えるタイミングは、法律上では、事前の意思表示さえあれば時期に関係なく認められるのが原則です。

さらに、その意思表示から2週間が経つと、使用者が認めていなくても、民法により労働契約は終了します。

これがもとになって、「退職するという通知は2週間前までに出せば良い」と思っている人が多いのです。

ただし、多くの会社では就業規則で、退職までの期間を設定しています。

例えば、「退職を希望する場合は、退職日の1カ月前までに通知すること」などと規定されています。

これは、退職に伴う仕事の引き継ぎや、後任の人事の手配などに時間が必要なためです。

就業規則は、あくまでも申し合わせですから、無視することは不可能ではありません。

しかし、退職に伴なう諸般の手続きなどを、退職する会社に依頼しなければならないことを考えれば、就業規則に沿って辞めることをおすすめします。

円満な退社は、円満な転職の第一歩です。

今の会社の退職を考えている人は、まず自社の「就業規則」を確認することから始めましょう。

[シニアガイド編集部]