60歳の平均貯金額は「3,122万円」。働きたい年齢は「67.2歳」
「60歳」になる人に聞いたお金の話
プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社(PGF生命)が、60歳の人にお金の話を聞いています。
2022年4月に行なわれたインターネット調査には、1962年生まれで今年60歳になる男女2千人が回答しています。
現在の貯金の平均が「3千万円」を超える
現在の貯金の金額は、平均で「3,122万円」でした。
配偶者がいる場合は夫婦2人分ですが、それでも、かなり大きな金額です。
ただし、皆が皆、3千万円の貯金を持っているわけではありません。
実際には、貯金の分布は広い範囲に分散しています。
貯金が少ない「500万円未満」の人が多い一方で、貯金が多い「2,000万円以上」の人が3割を超えています。
貯金が少ない人が多くても、極端に貯金が多い人がいるので、平均の金額が大きくなっているのです。
最低限の生活費は「18万円」
これからの人生で必要だと思う金額について聞いています。
【生活費として最低限必要だと思う金額】は、1カ月当たり「18万7,463円」でした。
そして、【ゆとりのある生活を送るために必要だと思う金額】は、1カ月当たり「27万2,635円」でした。
2020年に新型コロナウイルス感染症が流行して以来、どちらの金額も減少が続いています。
もしかしたら、「旅行費」や「交際費」が少ない生活に慣れたため、将来の生活費も少なめに見るようになったのかもしれません。
働きたい年齢は「67.2歳」
回答者のうち、59歳の時点で働いている1,435人に、今後の働き方について聞いています。
「何歳まで働きたいか」という回答の平均は「67.2歳」でした。
60代後半まで働くという人が一番多く、42.5%を占めています。
70歳を超えて働きたいという人は36.5%でした。
65歳が一つの目安になる一方で、70歳以上まで働くという人も、少なくないことが分かります。
退職金の用途は「預貯金」
さらに、「退職金を受け取る予定がある」777人に、退職金の使い道を聞いています。
圧倒的に多いのが「預貯金」で、7割近くを占めています。
老後の生活を考えて、とりあえず貯金しておこうという人が多いのです。
以下、「金融投資」「国内旅行」「住宅リフォーム」などが続きますが、「預貯金」に比べるとかなり少なくなります。
まだ「20年以上」も余生がある
「60歳」は、「還暦(かんれき)」という長寿の祝いの年齢であり、「定年」としている企業も少なくありません。
つまり、周囲からは、人生の区切りとして考えられやすい年齢です。
しかし、60歳で働いている人は、平均であと7年間は働くつもりであり、10年以上働くつもりの人も3割います。
そして、厚労省の生命表で見ると、男性は「24.12年」、女性は「29.42年」の余命があります。
これから、まだ20年以上も生きなければなりません。
実際に60歳を迎えている人にとっては、60歳は終わりではなく、まだ途中という感覚なのです。
そのためには、退職金などの機会を捉えて「貯金」を増やし、毎月最低でも18万円以上かかる生活費を確保する必要があります。
「住宅資金」「教育資金」と並ぶ、人生の三大支出である「老後資金」を用意するためにも、60歳をきっかけにして、自分の経済状況を把握しておきましょう。