実際に会社を潰した経営者が「倒産の予兆」を感じたのは3~6カ月前
倒産の経験がある経営者へのアンケート
クラウド型経営支援ソフトを提供するYKプランニングが、「企業の倒産理由」についての調査結果を公開しています。
2022年6月に行なわれたインターネット調査には、過去10年以内に倒産した経験がある元経営者1,003人が回答しています。
実際に会社を潰した人の経験は、会社員にとっても貴重な知識です。
早い人は1年以上前から「予兆」を感じている
「倒産のどれくらい前に予兆を感じましたか」と聞いています。
一番多い回答は「3~6カ月前」でした。
これと「2~3カ月前」を合わせると、半分を超えます。
早い人は1年以上前から予兆を感じていますが、遅い人は倒産1カ月前になって、ようやく予兆を感じています。
手持ちの現金が減ると倒産が近い
「倒産の予兆」を感じた理由を聞いています。
一番多いのは「預金通帳残高の大幅減少」でした。つまり、手持ちの現金が大きく減ってしまった状態です。
次は「大口得意先の倒産」でした。
「倒産の原因」は販売力の低下
「倒産の原因」は「販売・客足の低下」が大半を占めています。
販売力が落ちると、売上が上がらず、会社にお金が入ってきません。
企業が生きるためには「キャッシュフロー」、つまり現金の流入と流出のサイクルを回すことが必要ですが、それが止まってしまうのです。
資金繰りの頼りは「金融機関の融資」
倒産を目前にしたときに、何よりも欲しいのが「お金」です。
「倒産前の1年以内に行なった資金調達手段」を聞いています。
一番多いのが「金融機関からの融資」で、4割を超えました。
次いで、「補助金や助成金」と「会社資産の売却」が2割でした。
やっておけば良かった「内部留保」
最期に「“やっておけば良かった"あるいは"倒産を防ぐことができた"と思うこと」を聞いています。
一番多いのは、「不測の事態を考慮した内部留保(資金留保)」でした。
個人に置き換えて言えば「万一に備えてお金を貯めておけばよかった」ということでしょう。
それ以外では、「計画的な事業の推進」や「経営戦略面での決断(新しい事業への転換、新市場への参入、不採算事業の撤退など)」が挙がっています。
逆に言えば、倒産した企業は、事業について無計画だったり、やらねばならないことを先延ばししていたことが、苦境を招いたのです。