BA.2に比べて、「BA.5」は1.19倍、「BA.2.75」は1.36倍も感染力が強い
次々と登場する新しいオミクロン株
現在、新型コロナウイルス感染症の流行の主役は、「オミクロン株」の「BA.5」という亜系統です。
新型コロナウイルスは、遺伝子が変化しやすく、同じオミクロン株でも、多くの亜系統が出現しています。
そして、ニュースなどでよくあるのが「BA.5は、これまでのBA.2に比べて、感染力が強いとされている」という表現です。
では、実際に「BA.5」は、「BA.2」に比べて、何倍、感染力が強いのでしょうか。
厚労省の会議で公開された資料をもとにして、紹介します。
「BA.5」の感染力は「BA.2」の1.19倍
京都大学大学院の西浦博教授と、北海道大学の伊藤公人教授の共同研究によれば、「BA.5の感染力は、BA.2の1.19倍」となっています。
つまり、「BA.5」は2割ほど感染力が強いのです。
これだけ感染力に差があると、感染の広まり方には大きな差が出ます。
実際にBA.5は、東京都では9割以上を占め、感染のピークを迎えています。
そして、「BA.5」の次に流行すると予想されているのは「BA.2.75」という亜系統です。
「BA.2.75」は、BA.2の1.36倍も感染力が強くなっています。
「BA.2.75」は、「BA.5」よりも、さらに感染力が強いのです。
これだけ感染力が強ければ、次の流行の主役となる可能性が高いのも当然でしょう。
現在、注目すべきなのは「BA.2.75が、どれぐらいの勢いで増えていくのか」です。
「BA.2.75」の感染が拡大し、早い時期にBA.5に置き換わると、いわゆる「第7波」の流行が長引くことになります。
現在、危険なのは「オミクロン株」だけ
最後に、「オミクロン株」以外の変異株の現状を紹介しましょう。
国立感染症研究所では、「オミクロン株」を、一番危険な「もっとも懸念される変異株」に指定しています。
そして、その次に危険な「注目すべき変異株」は、現在ありません。
つまり、現在、危険とされているのは「オミクロン株」だけなのです。
「感染力が強い」というオミクロン株の特徴を念頭において、人混みを避けるなど、感染の予防を心がけて生活してください。