新潟県のデータで分かった、「第7波」の「重症化リスク」
「第7波」の「重症化リスク」を検討
新型コロナウイルス感染症では、「高齢者」や「男性」などは、症状が重くなりやすいとされています。
これを「重症化リスクが高い」と言います。
では、流行中の「第7波」では、どんな要素が重症化リスクが高いのでしょうか。
新潟大学の菖蒲川 由郷(しょうぶがわ ゆうご)特任教授らが、厚労省の会議で公開した資料をもとに、新型コロナの重症化リスクについて紹介します。
70代以上の「高齢」は重症化リスク
今回の調査対象となった、7月に新潟県で陽性となった「36,937例」のうち、「重症」となった人は「103例」でした。
重症化率は、全体では「0.3%」です。
しかし、70代では1%以上、80代では2~5%に上がります。
つまり、高齢者が新型コロナに感染すると、重症になりやすいのです。
「高齢」は、重症化リスクの1つと言えるでしょう。
「男性」「ワクチン未接種」は重症化リスク
次に、「男性」と「女性」を比べると、「男性」の方がリスクが高くなっています。
また、「ワクチン接種」では、2回以上ワクチンを接種していると、重症化リスクが下がります。
つまり、「ワクチンを接種していない」か「1回しか接種していない」人は、重症化リスクが高いことになります。
「慢性呼吸器疾患」と「慢性腎臓病」が危ない
新型コロナでは、「基礎疾患」がある人は、重症化リスクが高いとされています。
今回の調査では、基礎疾患の中でも、「慢性呼吸器疾患」と「慢性腎臓病」の2つで、特に重症化リスクが高いことが分かりました。
「慢性腎臓病」では、透析をしていない人の方が重症化リスクが高くなっています。
重症化リスクの一覧
今回のレポートにおいて、重症化リスクが有意に高いとされる条件は、次のようになりました。
- 高齢(70代と80代以上で高い)
- ワクチンを接種していない
- 慢性呼吸器疾患(COPD、間質性肺炎、治療中の喘息を含む)
- 慢性腎臓病(特に透析をしていない場合)
- 男性
- やせ(BMI<18.5 高齢者のフレイル等)
「肥満」ではなく「やせ」が入っているのは意外ですが、これは、「フレイル」と呼ばれる、体力が衰えたやせ型の高齢者が多いためです。
リスクの高い人とその家族は、感染予防が重要
現在、流行中の「オミクロン株 BA.5」では重症化率が低く、以前ほど新型コロナの感染を恐れない傾向があります。
しかし、呼吸器に疾患を持つ高齢男性など、重症化リスクの高い人にとっては、新型コロナは死を招く病気なのです。
自らの重症化リスクが高い人、そしてその家族は、引き続き感染予防に努めてください。
また、2回目以降の接種ができる状態であれば、できるだけ早くワクチンを打ってください。