7割の企業が、1年以内に「値上げ」を予定
今後1年の値上げの動きを知る調査
2022年に入ってから、ガソリンや食品など、身の回りの商品の値上げが続いています。
今後の値上げ傾向を知るために、企業情報調査会社の帝国データバンクが行なった、「今後1年の値上げに関する動向調査」の結果を紹介します。
2022年8月に行なわれたインターネット調査には、1,401社が回答しています。
7割の企業が値上げの見込み
自社の製品やサービスについて、値上げ済み、または値上げを予定している企業は「69.6%」でした。
アンケートに回答した会社の7割が、値上げをする見込みです。
今年8月以降に値上げを予定している企業だけでも「31.4%」あります。
2回以上の値上げも珍しくない
また、値上げは1回だけとは限りません。
今年1月からの「値上げ回数」でもっとも多いのは「1回」ですが、「2回以上」も4分の1を超えます。
「仕入商品の値上がりにともない、その都度値上げを実施」したり、「原価の上昇に伴って、同じ製品を複数回値上げする」などの事例がありました。
値上げは簡単ではないが、着実に進んでいる
しかし、値上げは簡単に受け入れてもらえるわけではありません。
例えば、次のようなコメントがありました。
「既存商品は値上げすることを認めてもらえないが、新商品については、原価計算を行ない価格設定している。スーパー関係は既存商品の値上げは大手企業には認めてもらえるが、小規模事業者は値上げを提出した時点で商品が打ち切りになる」(米菓製造)
また、メーカーに限らず、卸売でも値上げには苦労しています。
「商品ごとに値上げの時期が違うため、そのつど価格に転嫁できるよう得意先にはお願いしている。ビール類など報道されている値上げはお願いしやすい」(酒類卸売)
受け入れてもらえるのが難しいとはいえ、多くの企業が、値上げに手を尽くしていることは間違いありません。
当面続く、値上げ傾向
今年に入ってからの「値上げ」の理由は1つではありません。
ウクライナ情勢にともなう小麦価格の上昇、原油価格の上昇、中国の新型コロナ政策、円安など、複数の原因がからみあった形で、何度も押し寄せています。
そのため、幅広い製品やサービスが値上げを迫られる状況が、当面続くでしょう。
現在のような値上げが続くことを前提に、お金の使い方に注意してください。