「第6波」の致死率は「90歳以上」で4%
「第6波」の重症化率と致死率
厚労省が、新型コロナウイルス感染症「第6波」の致死率と重症化率を公開しています。
調査の対象は、2022年の3月と4月に、石川、茨城、広島の3県で新型コロナに感染した「14万1,619人」です。
この陽性者のデータをもとに、重症者の割合を示したのが「重症化率」、死亡した人の割合を示したのが「致死率」です。
この時期は、「第6波」の流行期で、「オミクロン株 BA.2」が流行の主役となっていました。
現在流行中の「オミクロン株 BA.5」とは、多少異なりますが、現状に近い「重症化率」と「致死率」として参考になります。
なお、ここで言う「重症者」とは、人工呼吸器またはECMO(エクモ:人工肺)を使用した、または集中治療室(ICU)に入った患者を指します。
そして、「死亡者」は、新型コロナの検査による陽性者で、死因を問わず亡くなった人を数えています。
「重症化率」は「70代」から上がる
最初に、「重症化率」を年齢別に見てみましょう。
重症化率は、年齢が高いほど上がり、特に「70代」からが高くなります。
「90歳以上」では、4%を超えます。
年齢が高いほど上がる「致死率」
「致死率」も、年齢が高いほど上がります。
こちらも「90歳以上」では、4%を超えます。
高齢で重症になると、死にやすい
「重症化率」と「致死率」を並べて見ると、年齢が高くなるほど、差が小さくなることがわかります。
つまり、高齢で重症になると、そのまま死亡してしまう率が高いのです。
高齢になると、新型コロナに感染すること、そして重症になることが、死に直結してしまうのです。
大きく下がった「致死率」
「第6波」の重症化率と致死率は、以前の流行に比べると下がっています。
2021年7月から10月の「第5波」と比べてみましょう。
「90歳以上」で見ると、重症化率も致死率も、約12%から約4%へと、ほぼ3分の1に下がっています。
これは「第5波」の中心だった「デルタ株」と、「第6波」の中心である「オミクロン株」の特性の差と言えるでしょう。
また、新たに登場した治療薬や治療法の効果も大きいでしょう。
ただし、重症化率や致死率が下がったと言っても、まだ油断して良い数字ではありません。
自分自身や家族の身を守るためにも、新型コロナに感染しないように心がけ、人混みを避けるなどの対策を守ってください。