2021年の死因の1位は男女とも「ガン」。男性は「肺炎」、女性は「高齢者病」が多い

[2022/9/21 00:00]

日本人の死因を調査

厚労省が、2021年に死亡した日本人の死因を公開しています。

2021年の死者は「143万9,856人」でした。

これは前の年よりも6万人も多く、第二次世界大戦後で最多となりました。

なお、男女比は、男性が「51.3%」、女性が「48.7%」で、男性の方が多くなっています。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

男性は「肺炎」が多い

実は、死者数だけではなく、「死因」にも大きな男女差があります。

まず、男性の死因を見てみましょう。

1位は「悪性新生物」、つまり「ガン」です。

ガンによる死者は、死者全体の30%を占めています。

男性の3人に1人は、ガンによって死んでいます。

死因の2位は「心疾患」、3位は「脳血管疾患」でした。

つまり、1位から3位までをいわゆる「三大疾病(さんだいしっぺい)」が占めています。

また、男性は呼吸器の病気による死者が多く、10位までに「肺炎」「誤嚥性肺炎」「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」「間質性肺疾患」と、4つも入っています。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

女性は高齢者特有の病気が多い

次に、女性の死因を見ていきましょう。

1位は「悪性新生物」で、男性と同じです。

しかし、男性よりも比率が低く、22%に留まっています。

2位は「心疾患」で、これも男性と同じです。

しかし、3位に「老衰」が入ります。

「老衰」による死者の割合は15%と高く、男性の3倍近くあります。

「老衰」は女性に特徴的な死因と言えるでしょう。

また、女性は高齢者特有の病気が多く、「老衰」以外にも「アルツハイマー病」と「認知症」が10位までに入っています。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

生活環境や寿命が「死因」に影響する

ここまで見てきたように、男女の死因には大きな差がありました。

男性は呼吸器系の病気が多く、女性は高齢者特有の病気が多いのです。

男性に呼吸器系の病気が多いのは、喫煙率が高かったことが影響している可能性があります。

JTによる2018年の喫煙率調査では、男性は27.8%、女性は8.7%で、3倍以上の差がありました。

一方、女性に高齢者特有の病気が多いのは、平均寿命の差が影響している可能性があります。

2020年の平均寿命は、男性が「81.47年」、女性が「87.57年」で、6年以上の差があります。

つまり、長生きをする女性が多いので、高齢者特有の病気にかかる可能性が高いのです。

将来の自分の生活を考えるときには、男女による差も考慮して、健康の維持を考えてください。

[シニアガイド編集部]