新型コロナの流行下で、どうやって結婚にたどりついたか
6千組の夫婦に聞いた「結婚に至る交際」
2021年に結婚したカップルは約50万組で、戦後最少を更新しました。
結婚する人は長期的に減り続けている上に、ここ数年の新型コロナの流行も影響しています。
そういう状況の中で、いま結婚している人は、どうやって結婚にたどりついているのでしょうか。
この記事では、国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」の結果をもとに紹介します。
この調査は、2021年5月に行なわれ、6,834組の夫婦が回答しています。
調査対象には、調査員が配布と回収を行なっており、単なるインターネットアンケートよりも信頼性の高い数字となっています。
「ネット」での出会いが15%もある
最初に、過去5年以内に結婚した夫婦に、「結婚相手と知り合ったきっかけ」を聞いています。
一番多いのは「恋愛」の75%で、全体の4分の3を占めています。
次に多いのが「ネット(インターネット)」で15%もあります。
そして、「見合い」が10%あります。
「見合い」というと、古い制度のような印象がありますが、ちゃんと生き残っているのです。
「職場」が減り、「紹介」がトップに
「結婚相手と知り合ったきっかけ」を、もう少しくわしく聞いてみましょう。
最新の状況を知るために、調査時点から3年以内に結婚した人に絞っています。
一番多いのは「友人/兄弟姉妹を通じて」で、26%でした。
つまり、誰かの紹介で交際を始めた人が多いのです。
次に多いのが「職場や仕事で」で、21%でした。
過去の調査では、職場がきっかけという人が、紹介よりも多いのですが、この時期は新型コロナの影響で、職場での出会いが少なくなっています。
そして、この2つから少し差があって、「学校で」「ネットで」「見合い結婚」が続きます。
この5つで全体の8割以上を占めますから、これが実際に多い「結婚のきっかけ」と言って良いでしょう。
「恋愛結婚」は20代で出会っている
次に、結婚相手と「出会ったときの年齢」を聞いています。
データを見ると、出会いのパターンによって、平均年齢が大きく異ることが分かります。
「恋愛結婚」では20代の中頃、「ネット」では20代後半、「見合い結婚」では30歳を超えてからとなります。
どのパターンでも、男性の方が、女性よりも少し年長です。
恋愛結婚は「交際期間」が長い
最後に、「出会ってから結婚するまでの交際期間」を聞いています。
今度は、「恋愛結婚」が一番長く、ほぼ5年かかっています。
「恋愛結婚」は若くして出会いますが、結婚に至るまでに時間が必要なのです。
「ネット」では、少し短く、3年弱で結婚しています。
「見合い結婚」では、1年半で結婚に至ります。
目的に応じた正しい手段を
今回の調査結果で注目されるのは、「ネット」の存在感の大きさです。
ネットでの婚活が活発になった最大の理由はスマホの普及です。
そして、新型コロナによって、職場や学校などリアルな場所での出会いが少なくなったことも大きく影響しています。
しかし、「ネット」での出会いと一口に言っても、出会い系サイトやマッチングアプリ、専門業者による婚活サービスと、さまざまな形があります。
自分や家族の結婚を考える際には、このような現状を理解した上で、目的に応じた正しい手段を選択することが大切です。