「介護事業者」の倒産が過去最悪のペース。連鎖倒産も発生

[2022/10/8 00:00]

9月までの倒産が昨年の2倍に

企業情報サービスの東京商工リサーチによれば、2022年の1月から9月の「老人福祉・介護事業」の倒産は、「100件」でした。

これは、前年の同じ時期の「51件」に対して、ほぼ2倍に増えています。

9月末の時点では、介護保険法が施行された2000年以降で、最悪の倒産ペースです。

出典:東京商工リサーチ

1社の倒産でグループ全体が巻き添え

介護事業者の倒産が増えた原因の1つが、連鎖倒産です。

リハビリデイサービス「ステップぱーとなー」(東京都台東区)の運営会社が倒産したことにより、そのグループ会社が倒産に追い込まれています。

「ステップぱーとなー」関連では、すでに17社が倒産しました。

さらに、年末までに10社以上が倒産に至る見込みです。

コロナ禍に続き、インフレも直撃

「ステップぱーとなー」の倒産は、コロナ禍で利用者数が減少し、介護報酬が少なくなったことが理由です。

これは、「ステップぱーとなー」だけではなく、すべての介護事業者に共通した問題です。

さらに、今年はインフレの影響で、介護用品、光熱費などの運営コストが大幅に上昇しています。

2022年の介護事業者の倒産件数は、過去最多だった2020年の118件を大幅に上回るでしょう。

出典:東京商工リサーチ
[シニアガイド編集部]