この冬に、インフルエンザが流行する可能性は極めて高い
大規模な流行が心配されている
2022年の冬から来年の春にかけて、「インフルエンザ」が流行する可能性が高く、ワクチンの接種が呼びかけられています。
この2年間、インフルエンザの大きな流行はありませんでした。
では、どうしてこの冬に限って、大規模な流行が心配されているのでしょうか。
厚労省の会議に提出された資料をもとに、インフルエンザの現状を紹介します。
国際的な移動の復活で、インフルエンザも復活
インフルエンザは、熱帯/亜熱帯地域では、季節に関係なく、1年中流行しています。
そこで維持されているインフルエンザウイルスが、人の移動に伴って、日本などの温帯地域に広がります。
同じ温帯でも、北半球では冬に、南半球では夏に流行します。
新型コロナが流行し始めた2020年からの2年間は、国際的な人の交流が制限されたため、ウイルスが広まらず、インフルエンザの流行が起きませんでした。
しかし、2022年に入ってから、移動の制限が解除されつつあり、インフルエンザの流行が復活し始めています。
例えば、オーストラリアでは、2022年6月にインフルエンザの流行が発生しました。
なお、オーストラリアでは、インフルエンザの流行が、例年は8月から始まります。
しかし、今年の流行は、少し早く始まりました。
日本でも、例年の12月よりも早く、流行が始まる可能性があります。
今年のワクチンは流行に合っている
インフルエンザのウイルスには、いくつかの型があります。
オーストラリアで検出されたのは「A(H3N2)」でした。
日本でも、このタイプが流行する可能性が高いでしょう。
今年、日本で接種されるワクチンは、4つのタイプに対応しており、「A(H3N2)」も含まれています。
つまり、流行に合ったワクチンが用意されています。
インフルエンザが流行する可能性は極めて高い
インフルエンザの大きな流行は、この2年間ありませんでした。
これにより、インフルエンザに対する抗体を持っている人が減った可能性があります。
また、国際的な人の動きが活発になり、ウイルスも広まります。
つまり、「インフルエンザが流行する可能性は極めて高い」と言えます。
一方で、これらの要因が、どれぐらい影響するのか、正確なデータはありません。
つまり、「インフルエンザの流行が始まる時期や、流行の規模などについて、正確に予測することは難しい」のです。
私達にできることは、流行する可能性に備えることです。
まず、インフルエンザが重症になる可能性を下げるために、「ワクチンの接種」を検討してください。
高齢者については、無料で接種できる地域も多いので、もよりの市区町村のWebサイトで確認してください。
中学生以下の子供にも、費用の補助が出る自治体があります。
なお、新型コロナウイルスのワクチンと、インフルエンザワクチンは、同時に接種できるようになりました。
新型コロナワクチンの接種が可能な人は、この機会に接種することを検討してください。