居酒屋の赤字は減るも、補助金頼り。本業は不振が続く

[2022/10/16 00:00]

新型コロナの影響で4割が赤字

企業情報サービスの東京商工リサーチが、2021年度の居酒屋の決算についてレポートを公開しています。

それによれば、居酒屋やビアホールを経営している337社のうち、4割が「赤字」となっています。

前年度は7割が赤字でしたから、今年度は業績が大幅に改善されました。

しかし、本業で儲けているのではなく、持続化給付金などの公的支援策で支えられている会社も多く、素直に喜べない状況です。

出典:東京商工リサーチ

本業は不振も、支援策に支えられる

2021年度に居酒屋の業績が改善されたのは、お酒を飲む人が増えたからではありません。

収益の内容を見ると、「減収」の会社が多く、本業の居酒屋は不振であることが分かります。

2021年度は、新型コロナによって、長期間の休業や時短営業を余儀なくされたため、収入が減りました。

しかし、持続化給付金や休業協力金、雇用調整助成金などの公的な支援策によって、2020年度よりも経営状態が改善されました。

出典:東京商工リサーチ

客足が戻らなければ閉店や倒産も

2021年度の居酒屋の倒産は「150件」でした。

これは過去最悪だった、2020年度の「175件」に続き、過去2番目の水準です。

つまり、本業の不振が公的な支援策でも支えきれず、倒産に至った居酒屋が少なくありません。

大手居酒屋の売上実績を見ても、前年度から減っているチェーンが多く、本業は回復していません。

しかし、公的な支援策は、すでに終わり始めています。

2022年度も、客足が戻らないと、閉店や倒産に追い込まれる居酒屋が増えるでしょう。

出典:東京商工リサーチ
[シニアガイド編集部]