東京都のデータで見る「第7波」の特徴

[2022/11/1 00:00]

新型コロナ「第7波」を振り返る

新型コロナウイルス感染症の流行には波があります。

一番近い流行の波は、2022年8月をピークとする「第7波」でした。

「第7波」は、これまでで最大の流行となりました。

次の流行の波が来る前に、「第7波」の特徴を振り返ってみましょう。

データは、2022年10月に東京都によって公開されたものです。

過去最大の流行だった「第7波」

最初に、新型コロナの検査で陽性となった「新規陽性者数」と、人工呼吸器が必要となった「重症患者数」を見てみましょう。

「第7波」は、これまでの流行に比べて「新規陽性者数」が多く、過去最大の流行となりました。

その一方で、「重症患者数」は少なくなっています。

オミクロン株が中心になった「第6波」以降は、重症患者が少なくなっており、ウイルスの種類によって症状が変わることが分かります。

出典:東京都

大きく下がった「死亡率」

次に、年代別の「死亡率」を比べています。

高齢になるほど死亡率が高いのは、「第7波」も共通です。

しかし、過去の流行に比べると、「第7波」の死亡率は大きく下がりました。

例えば、「90代以上」の死亡率は、2021年1月の「第3波」では18%もありました。

しかし、「第7波」では3%まで下がっています。

ウイルスの特性や治療法の進歩によって、死亡率が6分の1に下がったのです。

出典:東京都のデータをもとに編集部が作成

新型コロナ以外の病気で死ぬ人が増えている

「第7波」の特徴は、「死因」にも表れています。

「第5波」までは、肺炎など、新型コロナ自体が直接の死因となった人が中心でした。

しかし、「第7波」では、新型コロナ以外の病気が死因となった人が3割もいます。

例えば、新型コロナへの感染がきっかけで、持病が悪化して亡くなる人が増えています。

出典:東京都

基礎疾患があると「死に至る病」となる

「基礎疾患」とは、慢性の呼吸器の病気、慢性の心臓病(高血圧を含む)、慢性の腎臓病、慢性の肝臓病、糖尿病、血液の病気など、その人の健康状態に係わる大きな病気を指します。

「基礎疾患」を持つ人が新型コロナに感染すると、重症になりやすいとされています。

例えば、「第3波」では、死者の7割以上が基礎疾患を持つ人でした。

さらに「第7波」では、死者の9割近くが基礎疾患を持っていました。

「基礎疾患」を持っている人にとって、新型コロナは危険な病気なのです。

出典:東京都

周囲の高齢者に配慮して、感染予防の継続を

ここまで見てきた「第7波」の特徴を、まとめてみましょう。

  • 新規陽性者数が多い
  • 重症者が少ない
  • 死亡率が低い
  • 新型コロナ以外の病気による死者が多い

また、次のような、以前の流行と同じ特徴を引き継いでいます。

  • 高齢になるほど死亡率が高い
  • 基礎疾患がある死者が多い
  • 男性の死者が多い

オミクロン株 BA.5が流行の中心となった「第7波」では、新規陽性者になっても、重症になることが少なくなりました。

しかし、持病を持つ高齢者などにとって、新型コロナは危険な病気です。

自分の症状は軽くても、周囲の高齢者に感染すると、思わぬ結果を招く可能性があります。

自分のためだけではなく、周囲の人のためにも、しっかりとした感染予防対策を続けてください。

[シニアガイド編集部]