東京都のデータで見る「第7波」の特徴
新型コロナ「第7波」を振り返る
新型コロナウイルス感染症の流行には波があります。
一番近い流行の波は、2022年8月をピークとする「第7波」でした。
「第7波」は、これまでで最大の流行となりました。
次の流行の波が来る前に、「第7波」の特徴を振り返ってみましょう。
データは、2022年10月に東京都によって公開されたものです。
過去最大の流行だった「第7波」
最初に、新型コロナの検査で陽性となった「新規陽性者数」と、人工呼吸器が必要となった「重症患者数」を見てみましょう。
「第7波」は、これまでの流行に比べて「新規陽性者数」が多く、過去最大の流行となりました。
その一方で、「重症患者数」は少なくなっています。
オミクロン株が中心になった「第6波」以降は、重症患者が少なくなっており、ウイルスの種類によって症状が変わることが分かります。
大きく下がった「死亡率」
次に、年代別の「死亡率」を比べています。
高齢になるほど死亡率が高いのは、「第7波」も共通です。
しかし、過去の流行に比べると、「第7波」の死亡率は大きく下がりました。
例えば、「90代以上」の死亡率は、2021年1月の「第3波」では18%もありました。
しかし、「第7波」では3%まで下がっています。
ウイルスの特性や治療法の進歩によって、死亡率が6分の1に下がったのです。
新型コロナ以外の病気で死ぬ人が増えている
「第7波」の特徴は、「死因」にも表れています。
「第5波」までは、肺炎など、新型コロナ自体が直接の死因となった人が中心でした。
しかし、「第7波」では、新型コロナ以外の病気が死因となった人が3割もいます。
例えば、新型コロナへの感染がきっかけで、持病が悪化して亡くなる人が増えています。
基礎疾患があると「死に至る病」となる
「基礎疾患」とは、慢性の呼吸器の病気、慢性の心臓病(高血圧を含む)、慢性の腎臓病、慢性の肝臓病、糖尿病、血液の病気など、その人の健康状態に係わる大きな病気を指します。
「基礎疾患」を持つ人が新型コロナに感染すると、重症になりやすいとされています。
例えば、「第3波」では、死者の7割以上が基礎疾患を持つ人でした。
さらに「第7波」では、死者の9割近くが基礎疾患を持っていました。
「基礎疾患」を持っている人にとって、新型コロナは危険な病気なのです。
周囲の高齢者に配慮して、感染予防の継続を
ここまで見てきた「第7波」の特徴を、まとめてみましょう。
- 新規陽性者数が多い
- 重症者が少ない
- 死亡率が低い
- 新型コロナ以外の病気による死者が多い
また、次のような、以前の流行と同じ特徴を引き継いでいます。
- 高齢になるほど死亡率が高い
- 基礎疾患がある死者が多い
- 男性の死者が多い
オミクロン株 BA.5が流行の中心となった「第7波」では、新規陽性者になっても、重症になることが少なくなりました。
しかし、持病を持つ高齢者などにとって、新型コロナは危険な病気です。
自分の症状は軽くても、周囲の高齢者に感染すると、思わぬ結果を招く可能性があります。
自分のためだけではなく、周囲の人のためにも、しっかりとした感染予防対策を続けてください。