新型コロナ患者の自宅での死亡例。「高齢」「基礎疾患」が危険

[2022/12/9 00:00]

自宅で死亡した人の統計

厚労省が、新型コロナウイルス感染症により、自宅で死亡した患者のデータを公開しています。

対象としているのは、2022年7月と8月の2カ月間に、自宅で死亡した776人のデータです。

半分が「80代以上」

「死亡時の年齢」で一番多いのは「80代以上」で、半分以上を占めました。

次に多い「70代」と合わせると、8割を占めます。

新型コロナは、高齢者ほど危険な病気であることが分かります。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

「基礎疾患」持ちが7割

死亡した人のうち7割が「基礎疾患」を持っていました。

「基礎疾患」とは、慢性の呼吸器の病気、慢性の心臓病(高血圧を含む)、慢性の腎臓病、慢性の肝臓病、糖尿病、血液の病気など、その人の健康状態に係わる大きな病気を指します。

「基礎疾患」を持っている人が新型コロナに感染すると、いかに危険であるかが分かります。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

家族と同居していても危ない

自宅で死亡する人は、一人暮らしの「単身者」が多いというイメージがありますが、実は「家族と同居している人」の方が多いのです。

例えば、「家族に自宅で倒れているところを発見される」「浴槽で意識がなくなっているところを同居家族に発見される」など、急に症状が悪化して死亡するケースが報告されています。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

症状が軽くても危ない

症状の悪化が急激なのは、「死亡直前の診断時の症状」でも分かります。

「軽症/無症状」と「不明/死亡後に診断」を合わせると8割を超えます。

つまり、診断時に重い症状が出ている人は、ごく一部で、多くの人は症状が出ていないか、軽い症状でした。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

そして、生前に陽性が判明していた人は7割しかいません。

残りの3割は、死亡後の診断によって、初めて新型コロナに感染していることが分かったのです。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

まず「検査」、そして結果に応じた対応を

新型コロナによって、自宅で死亡した人には、明確な特徴があります。

それは、「高齢」で「基礎疾患」を持っている人です。

自分や家族が該当する人は、注意を払って生活してください。

また、新型コロナは急激に症状が悪化するため、症状が軽くても軽視してはいけません。

死亡した人の3割は、死亡するまで新型コロナの陽性判定が出ていないほどです。

同居している家族がいる場合でも、死亡するまで気が付かない例があります。

ちょっと熱が出て寝込んでいたら、死亡後に発見され、あとから「陽性」であったことが分かるというのは、自分にとっても周囲にとっても不幸な死に方です。

もし、「発熱」や「セキ」など、新型コロナの可能性がある症状が出たら、すぐに検査を受けてください。

そして、新型コロナであることが分かったら、もよりの自治体が運営している窓口に連絡し、必要な対応をしてください。

東京都における相談窓口の例 出典:東京都
[シニアガイド編集部]