新型コロナ患者の自宅での死亡例。「高齢」「基礎疾患」が危険
自宅で死亡した人の統計
厚労省が、新型コロナウイルス感染症により、自宅で死亡した患者のデータを公開しています。
対象としているのは、2022年7月と8月の2カ月間に、自宅で死亡した776人のデータです。
半分が「80代以上」
「死亡時の年齢」で一番多いのは「80代以上」で、半分以上を占めました。
次に多い「70代」と合わせると、8割を占めます。
新型コロナは、高齢者ほど危険な病気であることが分かります。
「基礎疾患」持ちが7割
死亡した人のうち7割が「基礎疾患」を持っていました。
「基礎疾患」とは、慢性の呼吸器の病気、慢性の心臓病(高血圧を含む)、慢性の腎臓病、慢性の肝臓病、糖尿病、血液の病気など、その人の健康状態に係わる大きな病気を指します。
「基礎疾患」を持っている人が新型コロナに感染すると、いかに危険であるかが分かります。
家族と同居していても危ない
自宅で死亡する人は、一人暮らしの「単身者」が多いというイメージがありますが、実は「家族と同居している人」の方が多いのです。
例えば、「家族に自宅で倒れているところを発見される」「浴槽で意識がなくなっているところを同居家族に発見される」など、急に症状が悪化して死亡するケースが報告されています。
症状が軽くても危ない
症状の悪化が急激なのは、「死亡直前の診断時の症状」でも分かります。
「軽症/無症状」と「不明/死亡後に診断」を合わせると8割を超えます。
つまり、診断時に重い症状が出ている人は、ごく一部で、多くの人は症状が出ていないか、軽い症状でした。
そして、生前に陽性が判明していた人は7割しかいません。
残りの3割は、死亡後の診断によって、初めて新型コロナに感染していることが分かったのです。
まず「検査」、そして結果に応じた対応を
新型コロナによって、自宅で死亡した人には、明確な特徴があります。
それは、「高齢」で「基礎疾患」を持っている人です。
自分や家族が該当する人は、注意を払って生活してください。
また、新型コロナは急激に症状が悪化するため、症状が軽くても軽視してはいけません。
死亡した人の3割は、死亡するまで新型コロナの陽性判定が出ていないほどです。
同居している家族がいる場合でも、死亡するまで気が付かない例があります。
ちょっと熱が出て寝込んでいたら、死亡後に発見され、あとから「陽性」であったことが分かるというのは、自分にとっても周囲にとっても不幸な死に方です。
もし、「発熱」や「セキ」など、新型コロナの可能性がある症状が出たら、すぐに検査を受けてください。
そして、新型コロナであることが分かったら、もよりの自治体が運営している窓口に連絡し、必要な対応をしてください。