年金だけで生活できる見通しがある人は2割だけ、他の収入を併せても4割止まり
持ち家のある60代に聞いた「老後」
不動産担保ローンのSBIエステートファイナンスが、老後の家計についての調査結果を公開しています。
この調査の特徴は、持ち家がある60歳~65歳の男女を対象としていることです。
つまり、自分が受け取れる老齢年金の金額が分かっており、しかも自宅に住み続けることができるという恵まれた状況にある人に、老後の見通しを聞いています。
2022年10月に行なわれたインターネット調査には、395人が回答しています。
年金だけで足りる人は5人に1人
将来、年金のみで家計収支が黒字になる予定の人は、2割しかいません。
つまり、年金だけで老後の生活を支えられる人は、5人に1人だけなのです。
年金以外の収入を用意していても4割止まり
年金だけではなく、「将来想定される年金以外の収入」を加えると、家計が黒字になる人は4割に増えます。
しかし、それでも過半数の人は、老後の生活が赤字になります。
その場合は、退職金を含めて、ある程度大きな額の資産を用意していないと、生活が苦しくなるでしょう。
年金以外の収入源は4つ
ところで、「将来想定される年金以外の収入」とは、具体的には何を指しているのでしょうか。
この調査で挙がっているのは、次の4つです。
- 個人年金保険
- 株式などの配当収入
- 確定拠出年金
- 不動産収入
特に、「個人年金保険」と「株式などの配当収入」は、3割以上の人が準備をしています。
この年齢の人が始めたころは、個人年金保険の料率が今よりもずっと高かったので、利用者が多いのでしょう。
なお、年金以外の収入をまったく準備していない人も「15.9%」います。
不安を減らしてくれる「年金以外の収入源」
「将来想定される年金以外の収入」別に、「老後破産」への不安を聞いています。
何らかの収入を確保している人で、老後破産の不安がある人は、だいたい3割ほどでした。
しかし、年金以外の収入をまったく準備していない人は、6割近くが老後破産の不安を感じています。
つまり、年金以外に何らかの収入源を確保していれば、老後に破産する不安を大きく減らすことができます。
しかし、老後が近づいてから、何らかの収入源を用意しようとしても、選択肢は限られています。
できれば、人生の早い時期から、大きな資産か老後の収入源を作る準備を始めてください。