「特養(とくよう)」の入居を待っている人は27万人。東京だけで2万人以上
「特養」の入居待ちは27万人
特別養護老人ホーム(以下、特養)に申し込み、入所を待っている人が、全国で27万人いることが分かりました。
厚労省の調査によれば、2022年4月1日時点で、入所を待っている入居申込者は「27万5千人」でした。
このうち、入所の条件である「要介護3以上」の人が「25万3千人」、特別な事情のある「要介護1、2」の特例入所の人が「2万2千人」です。
いずれも、前の年に比べて、数万人単位で減っています。
「特養」を待っている人は多いのですが、状況は良くなってきています。
「在宅」で申し込んでいる人は半分以下
特養に入所できる条件は、「日常生活全般にわたり常に介護を必要とし、居宅において生活することが困難な人」とされています。
そのため、「在宅」で介護している人以外は、申し込めないと思い込んであきらめてしまう人がいます。
しかし、入居申込者のうち、現在「在宅」で生活している人は「42.3%」しかいません。
つまり、特養の入居申込者は、なんらかの施設に入居している人が半分以上を占めています。
すでに「特養」に入所している人は、別の特養を申し込むことはできませんが、それ以外の施設に入居しているのであれば申込みできるのです。
待っている人の数は、県によって10倍の差がある
入所申込者の人数は、都道府県によって大きな差があります。
ここでは、要介護3以上の人を見てみましょう。
一番多いのは「東京都」で、2万人を超えています。
また、「千葉県」「神奈川県」「大阪府」「兵庫県」では1万人を超えています。
やはり、人口の多い都市ほど、入所申込者も多いのです。
一方、「徳島県」「佐賀県」「石川県」「和歌山県」「高知県」「鳥取県」は、入所申込者が2千人を切っています。
もちろん、施設の数や定員など、地域によって事情は異なりますが、地域によって待っている人の数には大きな差があります。
「特養は混んでいるから」とあきらめずに、担当しているケアマネジャーと相談することから始めてください。