飲食店の倒産、「宅配」や「持ち帰り」が増加。「居酒屋」や「バー」は減少
[2023/1/16 00:00]
飲食店の倒産は減少
信用調査会社の東京商工リサーチによれば、2022年の飲食業の倒産は「522件」でした。
これは、過去20年で最少です。
倒産件数が少ないのは、「実質無利子・無担保融資(ゼロ・ゼロ融資)」を始めとする、新型コロナ関連の支援策が、企業を支えたためです。
しかし、2023年には、ゼロ・ゼロ融資の返済が始まることで、倒産企業の増加が見込まれます。
「宅配」や「持ち帰り」の倒産が増加
倒産した飲食業のうち、「319件」は新型コロナウイルス感染症が原因でした。
倒産した企業の6割以上が、新型コロナの影響を受けているのです。
特に、「宅配飲食サービス業」と「持ち帰り飲食サービス業」の倒産が増えています。
これらの業種は、新型コロナによって通常の営業ができなくなった店舗が、現金収入を確保する手段として始めました。
しかし、多くの企業が参加したことで、想定していた売上を上げられなかった店舗も少なくありません。
一方、「酒場・ビヤホール」や「バー、キャバレー、ナイトクラブ」の倒産は減少しました。
2022年3月以降は、「緊急事態宣言」などの行動制限が発令されず、客足が戻りつつあります。
しかし、飲み会や接待を自粛する生活様式は定着しており、新型コロナ以前の状態には戻っていません。
倒産は大都市に集中
倒産した飲食業の分布は、都会ほど多くなっています。
一番多いのが「東京都」の80件、次が「大阪府」の61件、三番目が「京都府」の32件でした。
前年に比べて増加したのは15府県で、減少が27府県、同数が5都道県でした。