2023年度の年金は3年ぶりの引き上げ。物価高を反映
[2023/1/23 00:00]
3年ぶりに年金が増額
2023年度の年金は、物価高を反映して3年ぶりの引き上げとなりました。
国民年金の老齢基礎年金の満額は、67歳以下が月額で「66,250円」になります。
これは前の年度よりも1,434円高く、2.2%のプラスとなります。
なお、68歳以上の人は引き上げ幅が小さく、1.9%のプラスで「66,050円」となります。
厚生年金も引き上げ
一方、老齢厚生年金のモデル家庭の年金額は「224,482円」となります。
これは昨年度よりも「4,889円」のプラスです。
老齢厚生年金のモデル家庭は、40年間加入した夫と、老齢基礎年金のみの妻の2人分の金額です。
そして、2人分の老齢基礎年金も含まれています。
つまり、夫婦2人で「224,482円」ですから、1人当たり11万2千円と思えば良いでしょう。
マクロ経済スライドにより上げ幅が小さくなった
老齢年金の引き上げは、67歳以下は「名目手取り変動率」、68歳以下は「物価変動率」をもとに改定されます。
今回、「名目手取り変動率」は2.8%、「物価変動率」は2.5%のプラスでした。
しかし、年金額を抑えるためのマクロ経済スライドという制度により、それぞれ0.6%ずつマイナスされます。
そのため、67歳以下は2.2%、68歳以上は1.9%の引き上げとなりました。
本来、年金制度は物価の上昇時には、それに伴って金額が大きくなるものですが、マクロ経済スライドによって、上げ幅が小さくなってしまいました。
つまり、今年度の年金は3年ぶりに引き上げられたのですが、物価の上昇分をすべてカバーできたわけではありません。
もちろん、まったく上がらないよりはずっと良いのですが、マクロ経済スライドの分だけ目減りしていることも忘れてはいけません。