地方への移住希望者は「30代」が最多。「地方都市」で「会社で働く」ことを希望
移住希望者の実像
「地方への移住」というと、「定年退職後の第二の人生に、農村で農業を」というイメージを持つ人が多いでしょう。
しかし、実際の移住希望者は、もっと若く、地方都市で会社勤めを希望する人が主流です。
この記事では認定NPO法人 ふるさと回帰支援センターが行なったアンケートの結果をもとに、移住希望者のリアルな姿を紹介します。
アンケートは、2022年に開催された相談会やセミナーの参加者に対して行なわれたもので、1万3,880人が回答しています。
移住希望者は若い!
最初に「年齢」を見てみましょう。
相談者の年齢で一番多いのは「30代」です。
次が「40代」で、この2つは20%を超えています。
以下、「50代」「20代以下」と続きます。
定年以後と思われる「60代」と「70代以上」は、両方を合わせても1割ほどに留まっています。
「地方都市」を希望
移住希望者は、どこに住んでどんな生活がしたいのか「希望する地域類型」を聞いています。
一番多い回答は「地方都市」で、回答者の70%以上が選んでいます。
次に選ばれている「農村」が20%台ですから、3倍近い差があります。
「会社勤め」がしたい
「希望する就労形態」で、一番多い回答は「企業などでの就労」でした。
移住希望者のうち、70%近い人が希望しています。
つまり、都会と同じように会社勤めをしたいという人が多いのです。
2位は「農業」ですが、15%しかありません。
3位以下は「創業・起業」と「自営業(継続)」が続きます。
まだ、少数派ですが「テレワーク」を希望する人も、年々増えています。
移住後の生活をイメージする
ふるさと回帰支援センターへの移住の問い合せ件数は、2020年の新型コロナウイルス感染症の影響で、大きく下がりました。
しかし、2021年、2022年と2年連続で増えており、コロナ前を上回る勢いです。
新型コロナによる行動制限によって、都会を離れたいという気持ちが強くなったのかもしれません。
それだけに、単なる地方へのあこがれではなく、移住した後の生活に現実的ななイメージを持っている人が多いのでしょう。