コロナ後に創業した会社、すでに300社近くも倒産。「老人福祉事業」が最多
[2023/3/10 00:00]
創業直後に倒産してしまう会社
調査会社の帝国データバンクによれば、新型コロナウイルス感染症の流行以降に創業した企業のうち、すでに「294社」が倒産していることが分かりました。
2020年2月以降の新型コロナ流行の期間中も、さまざまな分野で起業が行なわれています。
しかし、創業後、ごく短期間で営業を終了して倒産に至る、短命な会社も少なくありません。
倒産した企業の活動歴は、平均で「1.8年」しかありませんでした。
「老人福祉事業」が多い
創業から間もなく倒産した企業の業種を見てみましょう。
一番多いのが「老人福祉事業」でした。
老人福祉事業では、コロナ禍で介護報酬の加算など国の支援も行われたものの、他方で感染を懸念した利用の手控えといった動きがあり、新型コロナの影響をまぬがれることができませんでした。
業態としては、デイサービスやショートステイなどの「通所型介護事業」が中心です。
この分野は、参入障壁が比較的低く、事業規模が小さくても起業しやすいことが影響しているのでしょう。
次に多いのは「不動産代理・仲介」でした。
それ以降も「美容室」「放課後等デイサービス」「障がい児通所」などのサービス業が多くを占めています。
一方、「緊急事態宣言」など営業制限などが多かった「飲食業」は、国や地方自治体による給付や融資のためか倒産は多くありませんでした。
事前の準備とタイミングが重要
せっかく、創業にこぎつけても、事業を継続するのは簡単なことではありません。
まして、新型コロナのように予測できなかった事態があれば、倒産に至る可能性が増えてしまいます。
それだけに、起業を志すのであれば、事業計画、資金など、事前の準備に力を入れましょう。
起業には思い切りも必要ですが、状況を見ることなく、思い入れだけで踏み切ってしまうのは危険な行動です