「悪い方向へ向かっていること」の1位は「物価」。7割以上の人が挙げる
「物価」が悪い方向へ向かっている
政府が行なった世論調査で、「国の政策において悪い方向へ向かっている分野」の1位が「物価」となりました。
この世論調査は、2022年12月から2023年1月に郵送によって行われました。
全国の18歳以上の日本人1,761人が回答しています。
7割の人が「物価」を挙げている
国の政策において悪い方向へ向かっている分野という質問で、一番多い回答は「物価」でした。
「物価」は前回の調査では37.9%でしたが、今回の調査では70.5%と、ほぼ倍になっています。
調査の時点でも、電気/ガスの料金や食料品の価格が上がっており、もっとも関心の高い分野となっています。
また、「景気」や「資源/エネルギー」なども、前回の調査から、大きく増えています。
これらは、ウクライナ侵攻を始めとする、世界的な経済環境の変化が影響しているのでしょう。
良い方向へ向かっているのは「医療/福祉」
一方、国の政策において良い方向へ向かっている分野で多いのは、「医療/福祉」でした。
ただし、前回の調査では「30.9%」でしたが、今回は25.3%と、少し下がっています。
以下、「治安」「防災」などが続きますが、いずれも前回より少なくなっています。
しかし、「防衛」だけは前回よりも1.8倍も増え、5位に入っています。
「防衛」の増加は、ウクライナ侵攻や台湾を巡る情勢など、軍事的な危機感の高まりが原因でしょう。
この社会に満足している人は「半分ちょっと」
最後に、この社会への満足感を聞いています。
「満足している」は52.4%で、かろうじて半分を超えています。
一方、「満足していない」は46.2%でした。
そして、「無回答」の人が1.4%いました。
前回の調査に比べて、社会への満足感は減少しました。
「満足している」が6%減り、その分「満足していない」が増えています。
「満足している」人が多いのは「70歳以上」
社会への満足感を年代別に見ると、「満足していない」がもっとも多いのは「30代」で、それから年齢が上がるにつれて「満足している」人が増えていきます。
そして、「70歳以上」では「満足している」人が6割を超えます。
高齢者については、暗い話題が語られることが多いのですが、実際にはそれなりに満ち足りた人生を送っている人が多いのです。