都会と地方で大きく異なる「地域での付き合いの程度」。あなたは行事や会合に参加できますか
「地域での付き合い」がある人は5割ちょっと
政府が行なった世論調査によれば、「地域での付き合い」がある人は55%でした。
近所付き合いをしている人は、半分ちょっとなのです。
一方、「付き合っていない」という人は43%で、4割を超えています。
都会では、3人に1人しか近所付き合いをしていない
地域での付き合いは、その土地柄に大きく影響されます。
例えば、「東京都区部(23区)」では、「付き合っている」が33%しかなく、「付き合っていない」が66%もあります。
つまり、近所付き合いをしている人は、3人に1人で、残りの2人はしていません。
逆に「町村」、つまり町や村では、「付き合っている」が66%もあり、「付き合っていない」が33%しかありません。
こちらは、3人のうち2人は近所付き合いをしています。
23区と町村とでは、近所付き合いの程度が、かなり違うことが分かります。
近所付き合いには「深さ」がある
次に、近所付き合いの「深さ」を見てみましょう。
この調査では、どの程度の付き合いが望ましいのか、次の5つから選んでいます。
- 地域の行事や会合に参加したり、困ったときに助け合う
- 地域の行事や会合に参加する程度の付き合い
- 世間話をする程度の付き合い
- 挨拶をする程度の付き合い
- 地域での付き合いは必要ない
全国のデータを見ると、「困ったときに助け合う」と「行事や会合に参加する」が、やや多いのですが、「世間話をする」や「挨拶をする」とあまり差がありません。
しかし、地域別に見ると、大きな違いが見えてきます。
23区では、「困ったときに助け合う」や「行事や会合に参加する」が少なく、深い付き合いは望んでいません。
せいぜい、「世間話をする」や「挨拶をする」が、都会の人が望む近所付き合いなのです。
一方、町村では、「困ったときに助け合う」や「行事や会合に参加する」を望む人が多く、人間関係が濃厚です。
「世間話をする」や「挨拶をする」などの軽い付き合いは、あまり望まれません。
求めている関係と求められる関係
都会と地方を比べるときに、地域での付き合いの有無については、よく話題に出ます。
しかし、本当に問題なのは、地域での「付き合いの深さの違い」なのです。
都会から地方移住をするときに、「人間関係が濃いから」とアドバイスされても、都会の人は「挨拶や世間話をする機会が増えるのだな」程度に思っていないことが少なくありません。
しかし、地方で求められている地域での付き合いというのは、「困ったときに助け合う」や「行事や会合に参加する」という濃い人間関係です。
例えば、共同で行なうお祭りへの参加義務があるような地域では、この「望ましいと思われる付き合いの深さ」の違いが、問題となってしまうのです。
これは良し悪しではなく、求められている人間関係が異なるのです。
地方への移住を検討する際には、自分が求める人間関係の距離感、人との付き合いの具体的な深さについても、あらためて考えておきましょう。
人口密度が低いからとか、人の数が少ないからと言って、人間関係が薄いわけではありません。
むしろ、そういう地域でこそ、助け合いのような濃い関係が必要とされるのです。