2040年には労働者が1,100万人不足。社会を維持するための人手が足りなくなる

[2023/3/31 00:00]

社会を維持することが難しくなる

リクルートワークス研究所が、2040年の労働者の供給不足についてレポートを公開しています。

レポートでは、2040年には、全国で1,100万人の労働力が不足するとしています。

そして、東京都以外のすべての道府県で「生活を維持するために必要な労働力が供給できなくなる」見込みです。

具体的には、次のような事態が発生する可能性があります。

  • 人手が足りないために訪問介護が受けられない
  • 後継者がおらず地場産業が消滅する
  • 警察や消防署の維持が難しくなる

この記事では、県ごとに異なる労働力不足の状況を4つのパターンに分類して紹介します。

早い段階から労働力が足りない

新潟、京都、愛媛、徳島などは、労働力が不足が早く起きます。

早くも2020年代後半から、生活を維持するための労働者が不足し始めます。

2040年には、求められる需要に対して、30%以上も労働力が不足する見込みです。

2030年から供給が足りなくなる

北海道、宮城、埼玉、岡山などは、2030年までは労働力が足りています。

しかし、2030年代に急速に供給が細り、2040年には不足率が20~30%となります。

早くから不足するが一定の水準で留まる

福島、兵庫、奈良、宮崎などは、2030年の段階で、労働力が不足しています。

しかし、その不足率は2040年になっても10%程度に収まります。

早くから労働力が不足しますが、一定の水準で留まります。

不足率が低い県もある

島根、香川、富山、和歌山などは、2040年になっても、労働力の不足率が数%に留まります。

人口の減少によって、生産活動が縮小しますが、それに必要な労働力は提供できる状況です。

人手が足りている「東京都」

東京都の2040年における労働不足率は「-8.8%」、つまり人手が余っている状態です。

リクルートワークス研究所では、「東京は(労働力不足という)日本の大きな社会課題から切り離された状態となり、特にホワイトカラー層は課題を早期に認知することが難しいかもしれない」と警告しています。

逆に言えば、それほど東京都は例外的な存在なのです。

しかし、2040年の労働力不足という状況を認識して、それぞれの立場で対策を考えていくのは、全国で共有しなければならない課題なのです。

【資料】2040年の労働力不足率

  • 北海道 31.8%
  • 青森県 5.6%
  • 岩手県 7.1%
  • 宮城県 19.1%
  • 秋田県 6.3%
  • 山形県 32.1%
  • 福島県 16.3%
  • 茨城県 30.8%
  • 栃木県 29.8%
  • 群馬県 22.4%
  • 埼玉県 19.8%
  • 千葉県 12.9%
  • 東京都 -8.8%
  • 神奈川県 13.9%
  • 新潟県 34.4%
  • 富山県 2.1%
  • 石川県 3.7%
  • 福井県 4.4%
  • 山梨県 14.8%
  • 長野県 33.5%
  • 岐阜県 25.4%
  • 静岡県 29.6%
  • 愛知県 26.9%
  • 三重県 21.5%
  • 滋賀県 25.8%
  • 京都府 39.4%
  • 大阪府 10.3%
  • 兵庫県 11.6%
  • 奈良県 13.8%
  • 和歌山県 2.2%
  • 鳥取県 28.1%
  • 島根県 0.9%
  • 岡山県 29.5%
  • 広島県 15.0%
  • 山口県 17.0%
  • 徳島県 30.0%
  • 香川県 1.6%
  • 愛媛県 32.4%
  • 高知県 27.5%
  • 福岡県 12.1%
  • 佐賀県 4.1%
  • 長崎県 7.4%
  • 熊本県 15.3%
  • 大分県 5.8%
  • 宮崎県 10.9%
  • 鹿児島県 19.7%
  • 沖縄県 17.5%
[シニアガイド編集部]