「新電力会社」の4分の1が新規契約を停止。相次ぐ倒産や撤退

[2023/4/1 00:00]

苦境にある「新電力」

企業情報サービスの帝国データバンクが、「新電力会社の事業撤退動向調査」の結果を公開しています。

帝国データバンクによれば、2021年4月の時点で706社あった新電力会社のうち、4分の1を超える195社が新規の契約を停止しています。

195社のうち、「廃業/倒産」が26社、「撤退」が57社、「新規の契約停止」が112社でした。

例えば、2022年の12月には、東北電力と東京ガスの共同出資で設立されたシナジアパワーが倒産に追い込まれています。

大手の資本があっても、再建を諦めることを見れば、新電力会社が追い込まれている苦境の厳しさが分かります。

出典:帝国データバンク

仕入れ価格の上昇が経営を直撃

「新電力会社」の多くは自分で発電設備を持たず、市場から電気を仕入れて、会社や個人に小売しています。

しかし、2021年の電力不足や、2022年のウクライナ侵攻により、電気の仕入れ価格が上昇しました。

そのために、赤字に転落する新電力会社が多く、倒産や撤退が相次いでいます。

また、一部の新電力会社では、仕入れ価格の上昇を、そのまま小売価格に反映するようになりました。

しかし、そのようなルールにすると、今度は、大手電力会社の一般的なプランよりも高額な電気料金になる可能性があります。

例えば、新電力会社のグランデータでは、東京電力の規制料金よりも電気代が高くなり、ユーザーからの問い合わせが殺到する騒ぎとなりました。

グランデータは、4月から実質的な値下げを行なう羽目に追い込まれています。

現在、電力の仕入れ価格は安定していますが、これから夏に向けて電気の需要が増えるため、再び上昇する可能性があります。

新電力会社のユーザーは、ときどき電気料金の明細書を見て、電気料金が上がりすぎていないかチェックしてください。

また、電気料金が高すぎるときは、大手を含む他の電力会社への乗り換えを検討してください。

今年の春は、大手電力会社の値上げが控えています。

その値上げ幅が確定してから検討すると良いでしょう。

出典:帝国データバンク
[シニアガイド編集部]