「物価高」が原因の倒産が、前年の3倍以上に増加。「運輸」や「食品」分野で増加
[2023/4/14 00:00]
前年の3倍以上に増加
調査会社の帝国データバンクが「物価高倒産」のレポートを公開しています。
物価高が原因となって倒産した企業は、2022年度は463件に上りました。
これは、前年度の3.4倍に増えています。
運輸や食品関係への影響が大きい
倒産した企業の業種を見てみましょう。
一番多いのは「運輸業」でした。
「運輸業」は関係する分野が広く、倒産の影響は広い範囲に及びます。
それ以外では、食品に関係した業種が多く、「食料品製造業」や「飲食料品小売/卸売り」、「飲食店」が上位に入っています。
食料品は「原材料」の上昇が痛い
倒産の原因は業種によって異なります。
食品関係の業種では卵を始めとする「原材料」が、主な原因となります。
一方、運輸業では軽油などの「エネルギーコスト」が多くなっています。
仕入れは上がっても価格に反映できない
「原材料」や「エネルギーコスト」が上がった企業は、その上昇分を価格に上乗せする必要があります。
これを「価格転嫁(かかくてんか)」と言います。
帝国データバンクによれば、全国の価格転嫁率は「39.9%」に上っています。
しかし、業者間の力関係によっては、上昇分をすべて転嫁することができません。
例えば、「運輸/倉庫業」では、価格転嫁率は「20.0%」に留まっており、経営を苦しくしています。
また、食品関係では「飲食店」の価格転嫁率が低く、その上流の「飲食料品製造業」の経営にも影響が及んでいます。
今後も、価格転嫁率が上がらないと、これらの分野で倒産する企業が続出する可能性があります。