有料老人ホームの4分の1が値上げを実施。毎月の管理費が6,280円、食費が4,370円も上昇

[2023/4/19 00:00]

有料老人ホームの値上げが始まっている

調査会社のTRデータテクノロジーが、有料老人ホームの月々の経費の上昇を報告しています。

この調査は2022年11月に行われ、大手/中堅の有料老人ホーム410社を対象としています。

調査の時点で、410社のうち、23%にあたる96社が経費を値上げしています。

すでに、4分の1近い運営会社が値上げを行なっているのです。

出典:TRデータテクノロジー

管理費だけで「6,280円」も上がった

値上げを行なった有料老人ホームでは、どれぐらい値上がりしたのでしょう。

値上げの平均金額は、管理費が「6,280円」、食費が「4,370円」でした。

値上げ率は、管理費が9.5%、食費が8.7%に及びます。

もともと、有料老人ホームの経費には、大きな差があるので、それぞれの価格帯別の値上げ額と値上げ率を表にしています。

出典:TRデータテクノロジー

費用が安い施設ほど、値上げの影響が大きい

もう少し具体的に、管理費がどれぐらい上がったのかを見てみましょう。

詳細なデータのわかる51社を対象にして、価格帯別の管理費の値上げ率を見ています。

経費が「10万円未満」の施設では、これまで「15,480円」だった管理費が「5,520円」値上げされて「21,000円」になりました。

値上げ率は「35.6%」で、大幅な値上げとなっています。

また、経費が「10万円~20万円」の施設でも、これまで「30,080円」だった管理費が、「4,630円」上がって「34,710円」になりました。

値上げ率は「15.4%」です。

同じように、「20万円~30万円」の施設では「5.5%」、「30万円以上」の施設では「9.7%」も、管理費が値上げされました。

このように並べてみると、もともと経費が安かった施設ほど値上げ率が高くなっています。

つまり、低価格の有料老人ホームに入っている人ほど、値上げで苦しむことになるのです。

出典:TRデータテクノロジー

毎月の経費が値上げされることを前提に考える

今回の調査によって、有料老人ホームの経費も、物価高の影響を受けた値上げが始まっていることが分かりました。

有料老人ホームでは、人件費と、電気代、食材などの費用が、経営に直結しています。

そのため、今後もコストの上昇を反映して、入居者が支払う月々の経費が値上がりするでしょう。

自分や家族の老後の生活設計を考える際には、物価の上昇も考慮した予算を考える必要なのです。

[シニアガイド編集部]