「老後」は「60代後半から」が最多。「老後」に不安を感じている人は9割を超える
老後に関するアンケート
遺品整理などを業務とする林商会が「老後に関するアンケート」の結果を公開しています。
2023年4月に行なわれたインターネット調査には、20代から60代の男女200人が回答しています。
「60代後半」からが「老後」
まず、「何歳からがご自身の老後だと思いますか」と聞いています。
一番多い回答は「65歳~69歳」で、4割を超えました。
現在、「老齢年金」の支給開始は「65歳」が基本です。
「年金生活」に入ることが「老後」に結びついているのでしょう。
また、正社員では再雇用制度などで「65歳」まで働ける制度が基本となっています。
そのため、働くことに区切りがつく「65歳」を老後の入り口と考える人が多いのです。
次に多いのが「60歳~64歳」で、3割を占めています。
こちらは、「60歳」を定年として設定している会社が多いためでしょう。
また、「60歳」は「還暦」と言って、古くから老後の入り口とされる年齢でもあります。
三番目に多いのは「70歳~74歳」で2割弱でした。
こちらは、「70代に入ると本格的なリタイア生活に入るから」というコメントがありました。
60代の間は働き続けたいので、「老後」ではないという印象でしょう。
「老後」に不安を感じている人が9割を超える
では、「老後」の生活は、どのようにイメージされているのでしょうか。
「老後の生活に不安を感じますか」と聞いています。
すると、半分以上の人が「不安を感じる」と答えています。
さらに、4割が「どちらかといえば不安を感じる」と答えています。
つまり、全体の9割を超える人が、「老後」に対して不安を感じています。
不安の原因は「生活費」と「健康」
「老後」に対する不安の中身を聞いています。
「老後の生活で不安なことは何ですか」という質問で、一番多い回答は「生活費」でした。
次に多いのが「病気・ケガなどの健康面」です。
つまり、「生活費」と「健康」が、老後の不安の原因となっています。
働ける限りずっと働きたい
老後の生活費に対する不安が表れているのが、「何歳まで働きたいか」という質問に対する回答です。
一番多い答えは「働ける限りずっと」なのです。
そして、「年金だけでは生活できないから」というコメントが多くありました。
次に多いのが「65歳くらい」でした。
こちらでは「年金がもらえる年齢までは働きたい」というコメントがあります。
ある程度の年金が受け取れるという目安があれば、「65歳」が目標となります。
三番目に多いのが「60歳くらい」です。
こちらには、「節約貯金投資に励み、少しでも早く退職したいから」というコメントがありました。
できるだけ早く退職したいと思うと、定年に設定されていることが多い「60歳」が一つの目標となるでしょう。
働くのを止めたときが「老後」の始まり
「老後」に対するイメージは、さまざまでした。
しかし、実際には、「いつまで働くか」が「老後」に入る年齢を決めてしまいます。
厚生年金に加入していて、ある程度の「年金」が受け取れるのであれば、年金の支給が始まる「65歳」が、1つの目安となるでしょう。
定年を迎えても「再雇用制度」などによって、この年令までは働き続けることができます。
一方、加入しているのが国民年金の場合は、「年金」の支給額が限られていますから、できるだけ長く働き続けることが目標となります。
一方、早く退職して「老後」に入ることを目指すのであれば、「定年」とされていることが多い「60歳」が目標となるでしょう。
自分自身が「老後」を迎えるためには、それを支える生活費が必要です。
「給与」であっても「年金」であっても、“収入が途切れない生活設計”を考えておきましょう。