6月分から値上げされる電気料金。実際には、どれぐらい上がる
値上げは「6月検針分」から
大手電力会社7社の電気料金が値上げされ、6月検針分から値上げされます。
つまり、7月に請求される電気代から、値上げされた金額になります。
では、それぞれの一般家庭で、どれぐらいの金額が上がるのでしょうか。
経産省の資料をもとに、値上げの内容を紹介します。
値上げ幅は14~42%
今回の値上げでは、使用量が平均的な家庭で14~42%の値上げとなります。
一般家庭をモデルとした「30A契約で使用量が400kWh/月」の場合、下のグラフのようになります。
例えば、東京電力の場合、2022年12月には「14,444円」だった料金が「2,078円」上がって、「16,522円」になります。
しかし、経産省の試算によれば、実際に請求される電気料金は「12,190円」になる見込みです。
電気料金が値上げされたのに、請求される金額が減少するとは不思議な話です。
次に、その理由を紹介しましょう。
電気料金の本体以外が下がっている
東京電力の場合、値上げ前の電気料金は「14,444円」でした。
電気料金本体の値上げによる増加分は「2,078円」です。
しかし、政府は電気料金本体を上げる代わりに、電気料金に付帯する料金を引き下げました。
例えば、「再エネ賦活金」は、2023年5月分から引き下げられました。
これで「820円」安くなります。
また、2023年2月からは「激変緩和措置」として、補助金が出ています。
こちらは「2,800円」安くなります。
また、「燃料費調整」は自動的に計算される金額ですが、原油や天然ガスが安くなっているので、値上げ前よりも「712円」安くなりました。
このように、政府の補助金や状況の変化によって、実際に請求される金額は「12,190円」になります。
つまり、一般的な家庭の場合、今回の値上げ分は、他の要素の値下げで、ほぼ打ち消されているのです。
いつ上がっても良いように、常に「節電」を
一般的な家庭の場合、今回の値上げが、あまり痛手にならないことが分かりました。
しかし、この状態がいつまでも続くわけではありません。
まず、「激変緩和措置」は、2023年10月分で終わる予定です。
また、「燃料費調整」は、原油価格などに左右されるため、大きく上がる可能性があります。
下のグラフは燃料費調整の単価の推移です。
2022年4月には「2.27円/kWh」だったものが、2023年4月には「13.04円/kWh」と、5倍以上になりました。
ウクライナ情勢の変化などによって、いつ、またこのように燃料費が上がるかもしれないのです。
このような状況ですから、常に「節電」をこころがけて、不要な電気を使わないようにしてください。