飲食店の倒産が1.7倍に増加。コロナ禍の終わりで「宅配」や「持ち帰り」が急増
[2023/6/12 00:00]
昨年を上回る「倒産」の勢い
調査会社の東京商工リサーチによれば、2023年1月から5月の飲食業の倒産は「337件」に上りました。
これは、昨年の同じ時期に記録した「194件」の1.7倍に増えました。
東京商工リサーチでは「長引くコロナ禍で公的な支援の効果が薄れ、飲食業は再び小・零細規模の倒産が増えている。今後も体力が乏しい飲食業者を中心に淘汰(とうた)が進むとみられる」と分析しています。
「宅配」や「持ち帰り」も苦しい時期に
倒産した店舗を業種別に見てみましょう。
一番多いのは「食堂,レストラン」の91件でした。
次に多いのが「専門料理店」の72件で、三番目が「酒場,ビヤホール(居酒屋)」の69件でした。
これらの業種の倒産数は、昨年の同じ時期よりも多くなっています。
また、「宅配飲食サービス業」は昨年の同じ時期に比べて4倍に、「持ち帰り飲食サービス業」も2倍に増えています。
ケータリングを始めとする「宅配」や「持ち帰り」の店舗は、新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要で店舗が増えていました。
しかし、コロナ禍の終わりとともに、生き残りが難しい時期に入ったようです。
47都道府県中、33県で倒産が増加
飲食店の倒産件数を都道府県別に見てみましょう。
47都道府県のうち、昨年の同じ時期よりも増えたのは33県でした。
倒産が2倍以上に増えたのは、愛知、神奈川、北海道でした。
それに続いて、大阪、千葉、兵庫、福岡、東京でも倒産が増えています。