新型コロナの抗体保有率は「42.8%」。流行が激しかった沖縄は60%超え
全国の4割が感染していた
厚労省が、「新型コロナウイルスの抗体保有率調査」の結果を公開しています。
この調査は、2023年5月に献血を行なった18,048人を対象に、ウイルスの抗体を持っている割合を調べたものです。
日本全体の抗体保有率は「42.8%」でした。
今回、調査対象となった「抗N抗体」は、新型コロナに感染した経験がないと抗体ができません。
つまり、国民の4割以上は、新型コロナに感染した経験があることが分かります。
なお、抗N抗体を持っていても、新型コロナに感染しないわけではありません。
ただし、症状が重症になることを防ぐ働きはあります。
年齢が高いほど抗体の保有率が低い
抗体の保有率を、年齢と性別に見てみましょう。
まず、全国の男性の保有率は「42.5%」で、女性は「43.5%」でした。
女性の方が少し高くなっています。
年齢を含めると、もっとも保有率が高いのは「16~19歳 男性」で「60.5%」でした。
そして、男女とも30代までは、保有率が50%を超えています。
その後は、年齢が高くなるほど保有率が下がります。
60代になると、若い人の半分程度まで抗体保有率が下がり、「60代 男性」は「29.0%」、「60代 女性」は「28.3%」しかありません。
つまり、年齢が高い人ほど、新型コロナに感染する可能性が高く、注意が必要なことが分かります。
抗体の保有率が高い「沖縄」
抗N抗体の保有率は、都道府県によって大きく異なります。
抗体率が高い県は次の通りです。
- 沖縄 63.0%
- 東京 52.9%
- 宮崎 52.9%
- 京都 50.5%
- 福岡 50.0%
やはり、「緊急事態宣言」が発令されるなど、大きな流行があった県は、抗体の保有率が高くなっています。
一方、抗体率が低い県は次の通りです。
- 石川 34.1%
- 青森 34.9%
- 岩手 35.7%
- 鳥取 35.7%
- 島根 36.7%
- 和歌山 36.7%
新型コロナの流行が少なかった県は、今後も感染予防に気を配る必要があります。
今後も感染予防に注意が必要
このような全国規模の新型コロナ抗体保有調査は、これが3回目です。
2022年11月に行なわれた第1回では「28.6%」、2023年2月に行なわれた第2回では「42.0%」でした。
これを、3回目の「42.8%」と比較してみましょう。
まず、1回目と2回目の間に大きな流行があり抗体保有率が急上昇しました。
しかし、2回目と今回は差がなく、その間に大きな流行がなかったことが分かります。
そして、新型コロナの病気としての扱いは5月から変わりましたが、新型コロナが無くなったわけではありません。
人混みを避けたり、必要な場合はマスクを着用するなどして、感染の予防に努めてください。