新型コロナの抗体保有率は「42.8%」。流行が激しかった沖縄は60%超え

[2023/6/18 00:00]

全国の4割が感染していた

厚労省が、「新型コロナウイルスの抗体保有率調査」の結果を公開しています。

この調査は、2023年5月に献血を行なった18,048人を対象に、ウイルスの抗体を持っている割合を調べたものです。

日本全体の抗体保有率は「42.8%」でした。

今回、調査対象となった「抗N抗体」は、新型コロナに感染した経験がないと抗体ができません。

つまり、国民の4割以上は、新型コロナに感染した経験があることが分かります。

なお、抗N抗体を持っていても、新型コロナに感染しないわけではありません。

ただし、症状が重症になることを防ぐ働きはあります。

年齢が高いほど抗体の保有率が低い

抗体の保有率を、年齢と性別に見てみましょう。

まず、全国の男性の保有率は「42.5%」で、女性は「43.5%」でした。

女性の方が少し高くなっています。

年齢を含めると、もっとも保有率が高いのは「16~19歳 男性」で「60.5%」でした。

そして、男女とも30代までは、保有率が50%を超えています。

その後は、年齢が高くなるほど保有率が下がります。

60代になると、若い人の半分程度まで抗体保有率が下がり、「60代 男性」は「29.0%」、「60代 女性」は「28.3%」しかありません。

つまり、年齢が高い人ほど、新型コロナに感染する可能性が高く、注意が必要なことが分かります。

出典:厚労省

抗体の保有率が高い「沖縄」

抗N抗体の保有率は、都道府県によって大きく異なります。

抗体率が高い県は次の通りです。

  • 沖縄 63.0%
  • 東京 52.9%
  • 宮崎 52.9%
  • 京都 50.5%
  • 福岡 50.0%

やはり、「緊急事態宣言」が発令されるなど、大きな流行があった県は、抗体の保有率が高くなっています。

一方、抗体率が低い県は次の通りです。

  • 石川 34.1%
  • 青森 34.9%
  • 岩手 35.7%
  • 鳥取 35.7%
  • 島根 36.7%
  • 和歌山 36.7%

新型コロナの流行が少なかった県は、今後も感染予防に気を配る必要があります。

出典:厚労省

今後も感染予防に注意が必要

このような全国規模の新型コロナ抗体保有調査は、これが3回目です。

2022年11月に行なわれた第1回では「28.6%」、2023年2月に行なわれた第2回では「42.0%」でした。

これを、3回目の「42.8%」と比較してみましょう。

まず、1回目と2回目の間に大きな流行があり抗体保有率が急上昇しました。

しかし、2回目と今回は差がなく、その間に大きな流行がなかったことが分かります。

そして、新型コロナの病気としての扱いは5月から変わりましたが、新型コロナが無くなったわけではありません。

人混みを避けたり、必要な場合はマスクを着用するなどして、感染の予防に努めてください。

[シニアガイド編集部]