同居して介護を支えているのは「配偶者」「子」「子の配偶者」。「要介護3」以上では「ほとんど終日」を費やす

[2023/8/4 00:00]

介護をしてくれる人は誰ですか

自分や家族が、介護が必要な状態になったときに、実際に中心となって介護をするのは誰でしょう。
また、その人は介護にどれぐらいのマンパワーを割く必要があるのでしょうか。

政府の調査結果をもとに、実情を探ります。

同居の場合は「配偶者」「子」「子の配偶者」が担う

この調査では、介護を必要とする「要介護者」を、実際に介護する人を「介護者」と呼んでいます。

介護者のうち、同居している割合は「45.9%」でした。

以前の調査に比べると、同居の割合は下がっていますが、それでも半分近くを占めています。

同居している介護者で一番多いのは「配偶者」でした。

つまり、夫婦のどちらかが要介護者になったときの多くは、その夫や妻が介護者となっています。

「配偶者」の次は「子」、そして「子の配偶者」が続きます。

ここまでが、実際に介護を担う「介護者」と言えるでしょう。

出典:厚労省

「要介護3」が1つの目安

では、「介護者」は、介護のために、どれぐらいの時間を費やしているのでしょうか。

要介護者の要介護度が高いと、「ほとんど終日」を介護に費やしている人の割合が高くなります。

例えば、要介護度が「要介護1」の場合、「ほとんど終日」は11.8%しかいません。

しかし、もっとも重い「要介護5」の場合は、63.1%の人が「ほとんど終日」を費やしています。

「ほとんど終日」の割合は「要介護3」から大きく増えています。

人ひとりが、ずっと介護についている必要があるかどうかは、「要介護3」が1つの目安となるでしょう。

代表的な高齢者施設である「特別養護老人ホーム」の入居資格が「要介護3」となっていることからも、このあたりが人ひとりで支えられるかどうかの分かれ目であることが分かります。

「要介護3」以上の場合は、施設介護を利用する可能性も確認してください。

そのためには、まず、地域包括支援センターの窓口に行き、要介護が判定できるように手続きを進めましょう。

必要とされるマンパワーがはっきりすれば、同居する必要があるのか、別居で支えられる状態なのか、施設に入居するのかという基本方針を定めて、介護をする体制を作り上げることができるでしょう。

出典:厚労省
[シニアガイド編集部]