コロナ禍を超える過去最悪のペースで倒産が増えた“街の喫茶店”
[2023/8/6 00:00]
急増した街の喫茶店の倒産
調査会社の帝国データバンクによれば、街の喫茶店(カフェ)の倒産が増加しています。
2023年の7月末までに発生したカフェの倒産は「44件」でした。
たった7カ月で、昨年1年間の34件を上回りました。
このペースが続けば、過去最多だった2020年の68件を超える可能性もあります。
コーヒー豆などの原価が上昇
喫茶店の倒産が相次ぐのは、原材料、特にコーヒー豆の価格高騰が影響しています。
国内に多く流通しているアラビカ種の豆の価格は、2022年に1キロ700円を超えました。
これは、新型コロナ前の300円台に比べると、約2倍にあたります。
また、食材価格、電気・ガス料金、人件費などのコストも上がっています。
大手チェーンとの競争で値上げができない状況
もともと、街中の喫茶店は中小零細企業が多いうえ、客単価が低く、1つの席当たりの顧客数を示す回転率も良くないという特徴があります。
一方、大型チェーンとの競争から、コーヒーなどのメニューの値上げは難しく、利益が出にくい構造なのです。
実際に、コーヒー豆の価格は2.1倍に増えましたが、コーヒーの価格は1.1倍にしか増えていません。
厳しい経営環境のなかで、中小喫茶店の淘汰が、さらに進む可能性があります。