GPIF、3カ月で19兆円の黒字。国内外の4つの投資分野がすべて黒字
[2023/8/8 00:00]
3カ月で19兆円の黒字
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、2023年度第1四半期で約19兆円の、大幅な黒字となったことを発表しています。
19兆円という黒字額は過去の四半期で最大です。
GPIFのコメントによれば、今回の9.39%という利益率は、理論的には9年に1回程度しか現れないとしています。
ちなみに、2022年度1年間の黒字額は「2兆9,536億円」でした。
4つの投資分野がすべて黒字
GPIFは、将来の年金に使うために積み立てられている「年金積立金」の運用を行なっている機関です。
GPIFの投資は、「国内債権」「国内株式」「外国債権」「外国株式」の4つの分野で行なわれています。
第1四半期にあたる2023年4月から6月は、投資した4つの分野のすべてで黒字となりました。
各分野の黒字額は、次の通りです。
- 国内債権 1,761億円
- 外国債権 3兆8,990億円
- 国内株式 7兆886億円
- 外国株式 7兆8,198億円
4分野の合計は「18兆9,834億円」になります。
特に「国内株式」の利益が大きく貢献しました。
また、為替が円安方向に振れたため、外貨建てで投資している外国株式と外国債券では、有利な結果となっています。
長期の運用で、将来の年金資金に備える
GPIFは、2001年度から、投資の運用を開始しました。
運用開始以来の利益は「127兆3,658億円」で、運用している資産は「219兆1,736億円」に達しています。
この「年金積立金」は、50年後、100年後に年金の資金が不足したときに、それを補うために用意されています。
GPIFの投資が始まってから20年以上経ちますが、年金資金を投資で運用することに対する非難は、いまだにあります。
また、短期的に見ると赤字となった四半期もあります。
しかし、長期的に見れば大幅な黒字を確保していることは覚えておいて良いでしょう。