介護施設に入居するきっかけは「認知症」「骨折」「脳血管疾患」。入居者の9割以上は要介護認定済み
介護施設に入居を決めた人への調査
老人ホームポータルサイト「LIFULL 介護」を運営するLIFULL senior(ライフル シニア)が、「介護施設入居に関する実態調査」の結果を公開しています。
「介護施設」とは、特別養護老人ホームなど、各種の老人ホームの総称です。
2023年7月に行なわれたインターネット調査には、1年以内に介護施設に入居した家族がいる男女2,000人が回答しています。
入居理由の4割は「認知症」
介護施設への入居を考えた“きっかけ”を聞いています。
一番多いのは「認知症」で、4割を超えました。
それ以外でもなんらかの病気のある人が多く、「特に疾患がなかった」 は1割しかいません。
施設への入居を考える3つの症状
「認知症」を理由として挙げた人に、具体的な症状を聞いています。
一番多いのは「排泄(はいせつ)の失敗をする」でした。
また、「お金の管理ができない」と「怒りっぽくなる、暴力をふるう」も多くの人が挙げています。
この3つの症状が、自宅での生活を続けられるかどうかに関わっていることが分かります。
日常生活への影響が大きい「骨折」と「脳血管疾患」
認知症以外の症状が入居のきっかけで多いのは、「骨折」と「脳血管疾患」でした。
骨折や脳血管疾患は、後遺症によって行動が制限されることが少なくありません。
したがって、日常生活への影響が大きく、施設入居の原因となりやすいのです。
自宅介護は「3年」が目安
入居前に自宅で介護していた期間を聞いています。
一番多いのは「1年以上~2年未満」でした。
そして、自宅での介護期間が「3年未満」の人が6割を占めています。
「3年」が自宅介護から施設介護へと切り替える、一つの目安と言えるでしょう。
入居者の9割以上は「要介護認定」を受けている
最後に、「入居時の要介護度」を聞いています。
まず、介護保険の要介護認定を受けていない「自立」の人は4.6%しかいません。
9割以上の人は、要介護認定を受けて、介護保険が利用できる状態にあります。
要介護認定は、施設への入居を考えている場合は必須と言えるでしょう。
なお、入院先から施設へと移る場合でも、入院中に要介護認定を受けることができます。
入院先の相談窓口に相談した上で、もよりの地域包括支援センターで手続きをしてください。
なお、入居時の要介護度は「要支援1」から「要介護5」まで、ほぼ均等にばらけています。
入居するかどうかは、要介護度だけで決まるのではなく、本人や家族の必要度によって決まることが分かります。