自分の法要は「一周忌」、家族の法要は「三回忌」まで希望。「七回忌」と「十三回忌」を希望する人は2割しかいない

[2023/10/6 00:00]

「法要」はどこまで必要か

亡くなった人の冥福を祈って供養をする仏教の儀式を「法要(ほうよう)」と言います。

法要は、亡くなった直後の「通夜」「葬儀」から始まり、「初七日」「四十九日」と続きます。

亡くなった翌年以降も「一周忌」「三回忌」「七回忌」「十三回忌」と、間隔を置いて法要が行なわれます。

以前は「三十三回忌」または「五十回忌」を最後の法要とし、「弔い上げ(とむらいあげ)」としました。

しかし、最近では「七回忌」や「十三回忌」で法要を終える例を見聞きするようになりました。

では、一般の人は、どこまで法要を希望しているのでしょうか。

公益財団法人 全日本仏教会と大和証券が行なった調査から紹介します。

このインターネット調査は、2022年12月に行なわれ、6,184人が回答しています。

自分が望む法要は「一周忌」までが多い

まず、自分自身の法要から見てみましょう。

「法要は必要ない」という人は36.5%でした。

行なって欲しい法要としては「葬儀」が一番多く、58.5%です。

つまり、半分以上の人は、自分自身の葬儀は行なって欲しいと思っています。

次に多いのは「通夜」で、だいたい半分の47.0%でした。

そして、「初七日」や「四十九日」「一周忌」までは3割以上の人が希望しています。

「三回忌」は2割ちょっとで、「七回忌」や「十三回忌」になると2割を切ります。

さらに、「それ以上も必要」という人は2.8%しかいません。

まとめると、「通夜」と「葬儀」はして欲しいと思っている人が多いが、その後の法要については「一周忌」ぐらいまでで、それ以降は無理には望まないというところでしょう。

出典:全日本仏教会/大和証券のデータをもとに、編集部が作成

家族の場合は「三回忌」と「十三回忌」が目安

しかし、対象が「自分の家族」となると、法要を望む人が増えます。

まず、「法要は必要ない」という人は23.3%まで減ります。

そして、「通夜」は6割、「葬儀」は7割の人が、行なう必要があると思っています。

「初七日」から「一周忌」までは、4割以上の人が希望しています。

「三回忌」でも、ほぼ4割が希望しており、自分自身の法要とはかなり温度差があります。

「七回忌」と「十三回忌」でも2割以上の人が望んでいます。

しかし、「それ以上も必要」という人は5.8%しかいません。

まとめると、「通夜」と「葬儀」、そして「三回忌」までは行ないたい人が多いようです。

そして、その後も「十三回忌」までは行ないたいと考えている人が、少なくありません。

お墓の場所や親戚の目も影響する

法要を行なうかどうかは、故人の家族が判断すべきことです。

今回の調査結果を見ると、目安としては「三回忌」が一つの区切りであり、それを超えて行なう場合も「十三回忌」で弔い上げとして良いでしょう。

なお、先祖の墓があって仏事を営む「菩提寺(ぼだいじ)」があると、「七回忌」や「十三回忌」を希望する割合が高くなります。

このあたりは、家のお墓がどこにあるかで変わりますし、菩提寺がある場合はお付き合いの程度によっても状況が変わるでしょう。

また、弔い上げを早く行ないすぎると、親戚などから苦情が出ることも考えられます。

「法要」の主役は故人ですが、故人を偲ぶ(しのぶ)人たちとのコミュニケーションの機会でもあります。

そのため、自分自身だけでは決められない場面も少なくありません。

周囲の事情を汲み取りながら、お寺や親戚とコミュニケーションを取りながら決める手間が必要とされることを覚悟しておきましょう。

出典:全日本仏教会/大和証券
[シニアガイド編集部]