年金だけで暮らしている高齢者は「4割」。年金収入の平均は「200万円」
「年金だけ」で暮らすことは可能
よく聞かれる質問の一つに「老後は年金だけで暮らせるのでしょうか」があります。
今は、「いま年金をもらっている人たちの4割は“年金だけ”で暮らしています」と答えています。
この数字は、2023年に公開された「国民生活基礎調査」によるものです。
下のグラフのように、「年金だけ」で暮らしている人が4割、「年金が80%以上を占める」人まで入れると6割になります。
年金以外の収入の種類
では、年金以外には、どんな収入があるのでしょうか。
この調査によれば、65歳以上の人を含む「高齢者世帯」の平均収入は「318万円」でした。
このうち「年金」が「200万円」を占めています。
次に多いのが「稼働所得」つまり、働いて得たお金で「80万円」です。
三番目が企業年金や仕送りなどを含む「その他」で「19万円」です。
これに、株式の配当や賃貸住宅の家賃などの「財産所得」の「17万円」ぐらいまでが、主な収入です。
整理すると、「年金」以外では、「働いて得たお金」「企業年金や仕送り」「手持ちの財産からの利益」が収入源と言えるでしょう。
「年金だけ」で暮らすことに危機感を感じる人は、長く働く、企業年金などの上積みを準備する、株式や不動産などの財産を蓄える、などの準備が望ましいということです。
高齢者の8割は「借金が無い」
最後に、「貯金」と「借金」について見ておきましょう。
高齢になってからの収入を考えることも大切ですが、その前に「借金」と「貯金」を考える必要があります。
例えば、大きな金額の住宅ローンが残っている状態では、いくら年金が入ったとしても、それだけで暮らすことはできません。
まず、借金を無くして出ていくお金を減らすことが大切です。
その上で、ある程度の貯金があれば、生活が安定します。
今回の調査によれば、高齢者世帯の「79.6%」で借金がありません。
そして、「80.7%」の人は貯金があります。
つまり、多くの高齢者は、「借金がなくて貯金がある」家計になっています。
老後の暮らしが不安であれば、現役世代のうちに「借金」を無くし、その上で「貯金」がある家計を目標にしてください。
その上で、「年金」を柱にして、それ以外の収入もあれば言うことはありません。