2030年に、働きながら介護をしている人は「318万人」、介護離職者は「11万人」に増加
[2023/10/16 00:00]
今後も増加する「家族の介護」
経済産業省が、家族の介護に関わる人の将来推計を公開しています。
これによれば、2030年に家族の介護をしている人は「833万人」に達するとしています。
このうちの4割は仕事をしながら介護をしている人で「318万人」になります。
さらに、介護のために離職する介護離職者は「11万人」になります。
家族の介護は特別なものではなく、多くの人にとって避けられない問題なのです。
「家族の介護」は社会的な問題
家族の介護をしている人が、これだけ多いと、仕事の効率にも影響します。
経産省の推計によれば、家族の介護が原因である経済損失は、2030年には約9.1兆円となるとしています。
このうちの8兆円は「仕事と介護の両立が難しいことによる生産性の低下」です。
さらに「介護離職」による損失も1兆円を超えます。
家族の介護は、個人の問題のように見えますが、実は会社にとっても大きな問題なのです。
いつ介護が始まっても良いように、情報の収集を
ここまで見てきたように「働いている人の介護リスク」は大きく、いつ自分の身に降りかかってこないとも限りません。
介護離職者への聞き取りでは、「こんなに介護が早くくるとは思わなかった」というコメントは珍しくありません。
また、「会社に相談していない」「介護と仕事を両立させるための制度について調べていない」というコメントも多く見られます。
介護が必要になる年齢の目安は、「男性は70代、女性は80代」です。
家族が、その年令になったら、いつ介護が始まっても良いように、会社の制度や相談窓口について調べて置きましょう。
少しでも準備をしておくことで、あわてて「離職」してしまうことような事態を避けてください。