8割の人が「日本が軍事攻撃を受ける不安」や「台湾有事への危機感」を感じている
軍事的行動に対する危機感
公益財団法人 新聞通信調査会が、「メディアに関する世論調査」の結果を公開しています。
2023年7月から8月にかけて行なわれた訪問調査には、18歳以上の2,871人が回答しています。
この記事では「軍事的行動に対する不安」についての内容を紹介します。
なお、調査時点では、パレスチナでの軍事紛争は、まだ起きていませんでした。
日本が軍事攻撃を受ける不安
日本が他国から軍事攻撃を受ける不安を感じているかを聞いています。
「不安を感じる」と答えた人は78.5%でした。
これは、前回に比べて5.8%も上昇しています。
それだけ、日本を取り巻く周辺状況に不安を感じる人が増えているということでしょう。
一方、「不安を感じない」と答えた人は20.3%でした。
「台湾有事」に対する危機感
日本周辺での、将来的な軍事的問題の一つに「台湾有事」があります。
これは、中国が武力を使って台湾に侵攻するのではないかという不安です。
台湾有事に対して、「危機感を持っている」人は79.1%でした。
特に、「非常に危機感を持っている」という人が、前回よりも3.8%上昇しており、危機感の度合いが強くなっています。
一方、「危機感を持っていない」人は19.7%でした。
自衛隊の行動はどこまで許されるか
もし、中国が台湾を軍事的に攻撃するような事態になった場合、日本は、どのような行動を取るべきでしょうか。
一番多い回答は「自衛隊は戦闘に参加しないが、米軍に武器弾薬を後方支援する」でした。
つまり、後方支援に限定して関与するという意見です。
しかし、一番多いとは言え、これを支持する人は3割に留まっています。
次に多いのが「在日米軍基地の使用を含め、軍事面では一切関与しない」という、すべての関与を否定する意見でした。
また、「日本にある米軍基地からの米軍の戦闘行動のみ容認し、自衛隊は一切関与しない」や、「自衛隊が米軍とともに中国軍と戦う」という意見も、一定の支持を得ており、この問題に対しては国民世論が割れていることが分かります。