「介護」が始まっても、8割の人は「仕事」を続けている。でも、支援制度を利用しているのは1割だけ
[2023/10/21 00:00]
介護の経験がある人へのアンケート
介護施設検索サイトの「ケアスル介護」が、「仕事と介護の両立に関する調査」の結果を公開しています。
2023年7月に行なわれたインターネット調査には、親の介護経験がある250人が回答しています。
調査人数は少なめですが、介護経験者ならではのリアリティのある回答が得られています。
8割の人は介護と仕事を両立させている
まず、介護をしている間、仕事を続けていたかと聞いています。
「はい」と答えたが78.4%でした。
だいたい8割ぐらいの人は、仕事と介護を両立させています。
逆に言えば、2割の人は、両立ができずに介護離職や転職に追い込まれた可能性があります。
両立のための制度を利用している人は「1割」
次に、介護と仕事を両立するために用意されている制度の利用について聞いています。
「介護休暇」を利用した人は7.2%、「介護休業」を利用した方は4.4%でした。
せっかく用意されている制度ですが、利用している人は1割ほどしかいません。
また、介護休暇などの制度を「知らなかった」人が22.4%もいます。
なお、「介護休業」は、長めの休みを取るための制度で、通算で93日まで、3回までに分けて休めます。
もう一つの「介護休暇」は短い休みを取る制度で、半日休んだり、1日休んで病院に付き添ったりできます。
介護は仕事に大きく影響する
最後に、 介護をしている間、仕事にどのような影響があったかを聞いています。
項目別に見ていきましょう。
まず、勤務の状況についての変化です。
- 正社員からパートになった。
- 通院の付き添いの日は夜間業務にしてもらった。
- フレックスタイムを利用した。
- 在宅勤務の契約に切り替えた。
【勤務時間や勤務日数を減らす】 - 勤務時間が減って、収入も減った。
- 出勤日数を減らした。
- 欠勤、遅刻、早退した時間を休日出勤で補った。
- 残業ができなく肩身が狭い。
【急な呼び出しがある】 - ホームから呼び出しがあり、早退をしていた。
- 介護をしている母から急に呼び出されて、仕事を早退したり遅刻したりで、職場の方に迷惑をかけた。
【働き方を変える】
また、介護による疲れなど、心身への影響も見逃せません。
- 業務に集中するのが難しかった。
- 目を離せないから集中力が散漫になりがちだった。
【睡眠不足】 - とにかく睡眠時間が無くて、仕事中に眠くて困った。
- 睡眠不足で勤務中に睡魔に襲われた。
【仕事に集中できない】
家族の介護は、負担が大きく、仕事と両立することは簡単ではありません。
それだけに、利用できる制度はできるだけ利用しましょう。
どのような制度あるかが分からないときは、会社の窓口や、介護の計画を立てているケアマネージャーに相談してください。