介護保険のサービスを使ったときの自己負担は1割が基本。でも、収入が多いと2割や3割に増える

[2023/11/1 00:00]

介護保険の自己負担が増えることがある

家族を介護するときは、介護保険を利用するのが基本です。

介護保険を利用するときは、あらかじめ用意されているサービスを利用し、その料金の1割を自己負担します。

例えば、65歳未満の人や、65歳以上でも収入が少ない人、生活保護を受けている人、住民税が非課税の人などは、自己負担が「1割」です。

ただし、介護を受ける人が「65歳以上で一定以上の所得がある」と、自己負担の割合が「2割」ないし「3割」に増えてしまいます。

利用したサービスの料金の1割を負担する

まず、介護保険の自己負担について紹介しましょう。

介護保険を利用する場合は、最初に介護認定というテストを受けて「要介護度」が決まります。

利用できる介護サービスの金額は、この「要介護度」で決まります。

例えば、「要介護3」の場合、1カ月に使える在宅サービスの上限は「298,000円」です。

しかし、これを全部支払う必要はありません。

298,000円の枠を全部使った場合でも、普通は「1割」に当たる「29,800円」だけ支払えば良いのです。

出典:台東区

「所得」が多いと自己負担が増える

問題は「65歳以上で一定以上の所得がある」場合です。

さきほどの例で、自己負担の割合が2割になれば「59,600円」、3割になれば「89,400円」へと支払う金額が増えてしまいます。

介護を受ける人の自己負担の割合は「介護保険負担割合証」というピンク色の証明書に書かれています。

「介護保険負担割合証」は、毎年7月ごろに郵送されてきます。

最初に介護保険を利用するときや、年収に大きな変化があったときは、「介護保険負担割合証」の内容を確認してください。

出典:今治市

「収入」と「所得」の違いに注意

最後に、自己負担割合の相談で、よくある間違いを紹介しましょう。

それは、2割や3割になる基準の金額が「所得」であることを見落としている人です。

例えば、一人暮らしの場合に自己負担が2割になる基準は、所得で「280万円」です。

これに対して、「自分の給与による年収が300万円あるので、基準を超えてしまう」と言って、事前に悩んでしまうのです。

しかし、300万円というのは「収入」であって、「所得」ではありません。

300万円という「収入」が基準になるのではなく、それからさまざまな「控除」の金額を引いた「所得」が基準になります。

この場合の控除の金額は、それなりに大きいので、収入が300万円であれば、所得が280万円を超えることは、まずありません。

まず、「介護保険負担割合証」が届くのを待って、自己負担の割合を確認しましょう。

そして、どうしても「2割」や「3割」になるのが納得できない場合は、もよりの市区町村の窓口で確認してください。

出典:台東区
[シニアガイド編集部]