コロナ禍が過ぎても人手不足が解消できないタクシー業界。10年で従業員が半減した会社も
[2023/11/6 02:38]
タクシー業界の人手不足についての調査
調査会社の帝国データバンクが、タクシー・ハイヤー業界の人手不足について調査結果を公開しています。
調査は2023年8月末に、全国の2,428社を対象に行なわれました。
10年前に比べて7割の会社で人が減っている
10年前の2013年と比べて、従業員数が減少した会社が69.7%もありました。
そのうちの14.5%は、従業員数が半分以下に減っています。
つまり、タクシー会社の1割以上は、10年間で従業員が半減しているのです。
従業員が減っている県は「茨城県」
従業員数が半分以下になった会社が一番多い県は「茨城県」でした。
タクシー会社の29.2%で、従業員数が半減しています。
「香川県」も29.0%、「奈良県」も25.0%と、4分の1以上の会社で従業員数が半減しています。
業績は戻っても人が戻ってこない
従業員数が減少した理由の1つが「新型コロナ禍」でした。
もともとタクシー業界は業績が悪く、新型コロナ前の2019年でも48.3%が赤字でした。
そして、新型コロナの流行が始まった2020年には80.9%が赤字となりました。
もともと半分近くが赤字だったのに、8割以上が赤字となったのです。
しかし、2022年には新型コロナの流行が一段落したことと、初乗り料金の値上げが行なわれたことにより、46.7%まで下がりました。
タクシー会社の業績を見る限り、新型コロナ前の状況に戻ったと言って良いでしょう。
しかし、運転手を始めとする従業員の補充ができないと、タクシーの保有台数に対して運転手が足りず、稼働率が低下してしまいます。
タクシー業界が、観光やビジネスの移動需要に応えられない状況が続くと、懸案となっている「ライドシェア(相乗り)」の認可など、運輸業界全体にも影響が出るでしょう。